ガングリフォン・ムック(仮)

名作ゲーム、ガングリフォンシリーズについて考察するブログです。他のゲームも時々語ります。更新不定期。

氷の上のコラート

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前回のラサ・チベット探訪から一週間。コラート達にヘリを撃墜され、ラサから這う這うの体で脱出してきたガングリフォン・ムック(仮)取材班の元に新しい情報が飛び込んできた。何とチベットのコラートよりも遥かに珍しいコラートが、これまた極めて珍しい場所に生息しているというのだ。しかも、その場所は北極圏にほど近いコラ半島のバレンツだというから驚きだ。

 

この情報に接して、取材班は俄かには信じられない気持ちだった。東南アジアのジャングルでの運用を考慮して開発されたコラートが、なぜそんな氷で閉ざされた北極圏に生息しているのか?いや、そもそも本当にコラートはそこに生息しているのか?

 

確認するのは簡単ではなかった。前回のチベット探訪で取材班の疲労と読者の堪忍袋もピークに達している。これ以上、ふざけた記事を量産してただでさえ少ない読者を失うべきではない。取材班の中にはそんな意見を持つ者もいたが、リーダーの意見は違った。

 

「・・・・・・行こう」と年かさのリーダーは静かに言った。その額と足にはまだ真新しい包帯が巻かれ、左腕は首から吊り下げられていたが、その言葉には揺るぎないものが含まれていた。「こんな案件、俺達以外に調べる奴はいないだろう?俺達がやらずに、誰がやるんだ?」

 

その一言で全ては決まった。ラサでの傷がまだ癒えぬ取材クルーたちも一人、また一人と立ち上がり、旅支度を始める。我々がやらねば誰がやるのか。リーダーの一言が取材クルーの胸に熱い炎を灯していた。取材班はその熱意で北極圏の暗い空と厚い氷に包まれたこの謎を解き明かすべく、コラ半島に飛んだ。それがチベット探訪以上の惨劇の始まりだとも知らずに・・・・・・。

 

 

 

 

N氏の指摘

はい、ここからは平常運転です。

 

え~、まず前回の大好評を頂かなかった拙記事「滝の上のコラート」公開から1週間ほどが経った。反響は何もない。いや、一人だけあった。R氏だ。何というか、すごいふざけた記事だったのでまさかR氏が反応してくれるとは思わなかったので、逆にこちらが驚かされた。その節は色々すみません。ふざけた記事でほんとすみません(まぁ、本来はそういうブログなんです、ここは)。

 

さて、そのR氏とツイッター上でコラートの話題をしていた時に、筆者はこんな発言をしてしまった。

 

そう言えばⅡには出てなかったですね(コラートが)。しかも、せっかくデザイン起こしてるのに初代でもタートンしか出さないとか、よく考えるととても贅沢な使い方@@

 

すると、毎度お馴染みN氏から次のような指摘を受けた(馴れ馴れしくてスイマセン)。

 

ガングリフォン2には、確か対戦モードのバレンツ(何故???)にコラートが出てきたのではなかったか。サバイバルモードでは見なかった気がする

 

 

 

な・・・・・・、何ですと!?@@

 

 

 

筆者はこれまで『ガングリフォンⅡ』にはコラートは出ていないものとばかり思っていた。実際、シナリオモードにもサバイバルモードにも一切登場しないし、これは何度かプレイして確認してきたから間違いない。しかし、N氏はバレンツの、しかも対戦モード時のみに現れるというのである。

 

筆者は今でもⅡを時々プレイするが、相手がいないこともあって対戦プレイはここ何年もまともにやっていない。ステージ上にどんな敵が登場するのかも記憶はかなり曖昧だった。だから、N氏の言うことの方が正確なのかも知れないと思ったが、「よりにもよってバレンツ!?」という気持ちは拭えなかった。

 

一応説明しておくと、バレンツはNORMAL以上の難易度でシナリオモードを攻略するとサバイバルモードや対戦モードに追加される新ステージで、ヴォストーチナャ・リツァによく似た氷で滑りやすいステージだ。夜間なのか、それとも極北に近いせいなのか、ヴォストーチナャ・リツァと違って空は暗く、その分だけ視認性もやや悪い。

 

しかし、コラートと言えばタイ製のジャングルでの運用を考えたAWGSである。それが極北のバレンツにいるというのは、俄かには信じられなかった。それはN氏も同様だったようで、続けてこう言われた。

 

リプレイで、冬季迷彩のコラートとかいうわけわからんもんが映し出されてぎょっとした記憶があるようなないような……なのでバレンツだと思います(やや自信なし)

 

この時、筆者の頭には以下の三つの可能性が浮かんだ。

 

1・N氏正直者説(N氏は本当のことを言っている)

 

2・N氏ユーモア説(N氏一流のブリティッシュ・ジョークをかましている)

 

3・孔明の罠(N氏は筆者を罠にハメようとしている)

 

(・・・・・・多分、3はない。2は微レ存。やっぱ1か?いやしかし、3もあるかも知れない・・・・・・。N氏は俺を罠にハメて、バレンツまでノコノコ出かけていく姿を見て一人ほくそ笑む腹積もりに違いない・・・・・・!)

 

・・・・・・などということは決して、決して思わなかったが、かと言って、

 

 

 

「これは自分で確かめるしかない。俺がやらずに誰がやる!?」

 

 

 

・・・・・・などという、大それた気持ちがあるわけでもなく、「例えいなかったとしてもブログのネタになるねぇ、イヒヒヒヒヒヒ」という、某国民的アニメの主人公であるま〇る子ちゃんみたいな下心丸出しで確認作業を始めてみた。

 

 

 

しかし、一口に確認すると言ってもこの作業は大変な困難を極めた。

 

ご存じの方も多いだろうが、『ガングリフォンⅡ』の対戦はモニター、ハード、ソフト、コントローラーを二つずつ、ハード同士を結ぶ対戦ケーブルを一つ必要とする当時としてはかなり大掛かりなもので、環境を揃えるまでのハードルがかなり高い。

 

幸いにも、筆者は以前にこれらを揃えていたので環境自体は整っていたのだが、モニター代わりのテレビが一台壊れているため、部屋にテレビが一台しかない状況だった。仕方がないので、配線の映像端子の部分だけを交互に差し込んで一つのモニターでプレイすることにした。目的はあくまでもバレンツのコラートを探すことであって、対戦をすることにあるわけではないので、これで良しとした。

 

しかし、検証作業にはまだやらねばならないことが山積していた。というのも、筆者の所有している三台のセガサターンはいずれも経年劣化でセーブ機能が壊れており、クリアデータをセーブすることもロードすることも出来ないのだ。クリアデータが有効なのはゲームの電源がついている間だけで、電源を切ったら全てが初期化される。だから、次はシナリオモードを難易度NORMAL以上で攻略してバレンツを登場させねばならないのだ。

 

シナリオモードの数は全8ステージ、全クリには少なく見積もっても大体小一時間は掛かりそうである。いくら面白いゲームとは言え、バレンツを出すためだけのプレイだから、どうしても苦行感は出てくる。

 

そしてこれらを更に上回る、ある重大な問題が筆者にはあった。

 

あと数時間もしない内に、同居している妹が仕事から帰ってくるのである。

 

もし検証中に妹が帰ってきたら、筆者は家に一台しかないテレビモニターの前で、日焼けしたサターン二台を並べてコントローラーを二つ持ちながら一人でゲームをしているという、何とも間抜けな姿を披露することになるのだ。ただでさえ日頃からゲームばかりしてと評判が悪いのに、この上そんな姿を見せたら明日から兄としての威厳どころか人権もなくなってしまうのは必定である。

 

残念ながら、この生まれてくる順番を五年か六年くらいは間違えたであろうしっかり者の妹は「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」などという妄想の塊ではなく、「俺の妹は前世スパルタ人で、将来ヒステリックな教育ママになって息子の生活を100%支配した上で小学校からお受験させて将来は官僚か医者にしようとするが失敗するのは目に見えているソース俺」なので、お目こぼしに預かるということはまずない。彼女にとってゲームなんて不倶戴天の敵、およそ故障したルンバよりも価値のない代物である。

 

もし妹が帰宅したとして、間違っても「あ~!ま~たゲームばっかりして~!もう、お兄ちゃんたら~!」なんてオタクの妄想みたいな反応は絶対返ってこないのは確約出来る。「ああ!?私が帰って来るまでに皿洗っておけって言っておいただろう!?脳味噌ついてんのかこのボケナスがよぉ!」みたいなSMファンの妄想みたいな反応が返って来ないのも保証しよう。

 

彼女はただ静かにバッグを下ろして腕組みをしながら、バレンツの氷よりも冷たく、チベット裏の空よりも暗い目で筆者を眺めて軽蔑するだけである。

 

それ即ち、検証作業そのものにもタイムリミットがあることを意味している。一刻も無駄には出来ない情勢だった。時計を見上げると、時刻は午後8時を少し回ったところを指していた。妹が帰宅するまで多く見積もっても二時間そこそこ・・・・・・。

 

 

 

手早く終わらせねば・・・・・・。

 

 

 

「ふぅ・・・・・・」

 

「我ながら馬鹿なことやっているなぁ」という深い溜息と共に(自覚はある)、「取材班」はシナリオモードの攻略を開始した。万が一ガセ情報だったら、N氏にクソリプを送り続けてやると心に誓って・・・・・・(勿論、冗談です。為念)。

 

苦闘

こうして取材班による攻略が開始された。と言っても、もう何年もプレイしている上に、最近も記事を書くために度々検証プレイをしていたから、さしたる苦労もなく攻略は進んだ。今更つかえるところがあるわけでもなく、難易度NORMALで良いとなれば猶更そうであった。

 

しかし、攻略がジャルタイ辺りに差し掛かったところで、取材班の中にこんな疑念が生まれてきた。

 

 

 

「もしかしてこれ、もう一周せなあかんのじゃないか?」

 

 

 

取材班の考えでは、対戦をする際はどちらか一方のサターンにシナリオモードの攻略データがあり、「バレンツ」が選択出来る状況になっていれば、互いに「バレンツ」で対戦プレイが出来るという認識であった。

 

しかし、よくよく考えたらそんな仕様だったかどうか自信がなくなってきた。何せ友達と一緒にサバイバルモードや対戦モードを楽しんだのはもう遠の昔の話で、久しくやっていない。

 

もしかして、もう一方のサターンでもう1周して、「バレンツ」を出す必要があるんじゃ・・・・・・。

 

繰り返すが、取材班の日焼けしたセガサターン三台ともセーブ機能が壊れている。セーブは出来ないのだ。いくらクリアしたところで電源を切った瞬間にデータは全て飛ぶ。いくら好成績を出してもスコアは残らないし、いくらHARDやEXISPARTまで攻略しても次にプレイする時は一からだ。

 

つまり、「バレンツにコラートが出るのかどうか?」を検証するためだけにシナリオモードを2周も攻略しなければならない可能性が浮上して来たのだ。

 

まさか、それは流石にないよな・・・・・・?

 

取材クルーの中に重苦しい空気が漂う中、百霊廟のミヒャエル・ハルトマンをさくっと屠ったガングリフォン・ムック(仮)攻略班は、恐る恐る対戦モードのセッティングをしてみた。クリアデータのあるサターンを起動したまま、もう一方のサターンも起動して対戦モードを試みる。すると・・・・・・、ない。バレンツがない。対戦に参加しようとしても、出来ない。

 

もう1週が確定した瞬間であった。

 

その時、時計の針は9時になろうかというところだった。タイムリミットまであと1時間弱・・・・・・。

 

検証

こうして取材班は半分ヤケになりながら、もう1週の攻略を開始した。攻略担当者のプレイも心なしか荒い。1週目ではつけなかった僚機をつけ、火力に任せたゴリ押しで次々に敵を破壊していく。被弾も気にしないし、撃破率も気にしない。華麗なテクなどどこにもない。心をなくしたターミネーターが、猛然と敵に襲い掛かるのみだ。

 

こうして検証作業開始から2時間、ようやく対戦プレイの環境が整った。もっとも、取材班の体感時間はそれ以上だったが。

 

とは言え、苦労して整えた対戦環境である。早速両方のサターンで対戦のセッティングをし、映像端子を交互に差し込みながら機体や武装の選択を終え、バレンツの氷の上に降り立った。取材班には時間がないのだ。

 

12式で出撃した取材班は、対戦相手の無人の12式改を横目で見ながらバレンツのフィールドを駆け回った。しかし、コラートの姿はどこにもいない。影も形もない。レーダー上に黄色い光点がいくつか映ったので急行するが、いずれもマルダー2が辺りを周回しているだけだった。

 

しばらくして点滅する光体がレーダーに映った。戦闘エリアに侵入してくるその点は、もしや輸送機のC‐17かムリヤではなかろうか?取材班は再び12式のギアを入れ、ステージ中央に向かう。しかし、それはこの対戦モードでしか目標として登場しない、CH‐47の編隊に過ぎなかった。

 

取材班は憂さ晴らしに辺りを飛び回るCH‐47を追い回し、撃墜していく。普段補給を受けているせいか、敵として登場するとは言えCH‐47を撃墜するのは余り気分の良いものではなかったが、シナリオ攻略で大分鬱憤の溜まった攻略班を止める者は誰もいなかった。

 

しかし、待てども待てどもコラートが現れることはなかった・・・・・・。

 

取材班の間に重苦しい空気が漂い始め、バレンツ行きをリーダ決めたリーダーの頭にも苦渋の色が浮かんでいた。

 

 

 

やはり、あれは孔明の罠だったか・・・・・・。

 

 

 

取材班をバレンツへと飛び立たせた、N氏の言葉がリーダーの頭に思い浮かぶ。

 

ガングリフォン2には、確か対戦モードのバレンツ(何故???)にコラートが出てきたのではなかったか。サバイバルモードでは見なかった気がする

 

リプレイで、冬季迷彩のコラートとかいうわけわからんもんが映し出されてぎょっとした記憶があるようなないような……なのでバレンツだと思います(やや自信なし)

 

 

 

そして、取材班の脳裏に一度も見たことのないN氏の顔が浮かんだ。

 

 

 

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取材班の想像するN氏。

 

 

 

 

 

 

・・・・・・。

 

 

 

 

 

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取材班の想像するN氏。

 

 

 

 

 

・・・・・・。

 

 

 

 

 

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勝手に発狂する取材班。

 

 

 

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勝手に発狂する取材班「謀ったな!N氏っ!!」

 

 

 

・・・・・・などと思うことは決して、決してなかったが、取材クルーは流石に落胆の色を隠せなかった。俺達のこれまでの苦労は何だったんだ?何でシナリオモードをわざわざ2周もしなければならなかったんだ?(答え:サターンが壊れていたから)俺達の貴重な時間を返せ! 

 

そんな気持ちが取材班の中に広がりつつあったその時、レーダーに再び黄色い点が光った。マルダーとはやや違う動きを見せる黄色の点が、戦闘エリアに侵入してきたのである。

 

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「どうせBMXか何かなんじゃないの?」という若手クルーの声にも構わず、12式で接近を試みる攻略班。すると、マルダー2とは明らかに違うAWGSの姿が見えてきた。やや寸胴型の人型のシルエットに腕が二つ。若手クルーの言う通り、BMXかと思われたその時であった。

 

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ん?

 

 

 

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( ,,`・ω・´)ンンン?

 

 

 

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 ・・・・・・!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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発狂する取材班。



 

 

 

 

ほ、本当にいた!!

 

 

 

 

 

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間違いない。この両肩の出っ張りと右肩のミサイルランチャーはコラートのものである。それまで辺りにへたり込んでいた取材クルーたちも立ち上がり、互いに抱き合いながら口々に叫ぶ。

 

 

 

「やったー!やったぞ!」

 

「N氏最高!ハラショー!」

 

「俺は最初からあんたのことを信じてたぜ!!」 

 

 「誰だ、『孔明の罠』とか言ってた奴は!?www」

 

 

 

身勝手に喜ぶ取材班を尻目に、撮影を続ける攻略班。サバイバルモードの敵と違ってこちらに攻撃してこないので、撮影自体は可能なものの、動き続けるので前を撮るのが中々難しい。しかも、片手がコントローラーで塞がった状態での撮影は困難を極めた。

 

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取材班「一枚でいいから前から撮らせてくれ~」

 

コラート「やなこったコラ~」

 

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取材班「撮らせろ~」

 

コラート「やれるもんならやってみなコラ~」

 

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取材班「上等だコラー!

 

コラート「じょ・・・・・・、冗談はよせコラ~!」

 

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取材班「オラオラオラオラオラー!!」

 

コラート「ヒ、ヒェ・・・・・・!」

 

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取材班「あ・・・・・・っ」

 

コラート「アフ・・・・・・っ」

 

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取材班「ファ‥‥‥!?」

 

コラート「‥‥‥」

 

 

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呆然と立ち尽くす取材班。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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迎えのヘリが来た時の取材班。

 

 

 

編集後記

こうして極北のコラートを求めたバレンツの旅は終わった。取材班は情報を提供してくれたN氏と幻想的な光景を見せてくれた極北のコラートに感謝を示しつつ、バレンツを後にした。

 

しかし、なぜこのバレンツのコラートに取材班は何年も気付かなかったのだろう?対戦モードをプレイするのは随分久しぶりではあったが、過去には何度もバレンツで他のプレイヤーと対戦してきたこともあったはずなのに・・・・・・。

 

恐らく、対戦の時には対戦相手に夢中で、辺りをうろつくコラートのことをよく見ていなかったのだろう。サバイバルモードにはBMXも登場するし、遠目に見てBMXと誤認識していたのだろうか。人間の記憶とは曖昧なものである。

 

とは言え、よりによって東南アジアのジャングルでの運用を考慮して開発されたであろうコラートを、敢えてバレンツに登場させるという開発スタッフの意図はどこにあったのだろう?

 

遊び心というか、一種のジョークだったというのはちょっとありそうである。東南アジア製のAWGSを、敢えてバレンツに登場させる、その意外性、そのシュールさ。改めて考えてみると確かにちょっと笑える。或いは、「まさかそんなところに」というプレイヤーの心の死角を突いた、無駄にウマい演出だったとも言えるのかも知れない。

 

と、そこで若手の取材クルーが何かに気付いたように言った。

 

「もしかしたらダジャレ・・・・・・、じゃないですかね?」

 

「ダジャレ?」とリーダーが訝しがるように尋ねた。

 

「はい、バレンツがあるのはコラ半島ですよね?」

 

「・・・・・・うん」

 

「つまり、コラ半島バレンツにいるコラート・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

コラ半島のコラート・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

コラ半島のコラート、コラ半島のコラート、コラ半島のコラー・・・・・・」

 

 

 

 

 

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発狂するリーダー「それだ!!」

 

 

 

 

 

何ということでしょう。バレンツのコラートは、「コラ半島」と「コラート」を掛けた匠なダジャレだったのです(加藤みどり風に)。*1

 

 

 

 

 

 

 

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無事謎を解き、大喜びするガングリフォン・ムック(仮)取材班。

 

 

 

YOU WIN!*2

 

 

 

 

 

ガングリフォン・ムック(仮)取材班としてはここで改めてN氏に対して感謝の念を表したい。恐らく、指摘を受けなかったらずっと「Ⅱにはコラートが出ない」という認識のまま人生を終えていたことであろう。そして、この手の込んだダジャレに気付くこともなかっただろう。*3厚く御礼を申し上げると共に、自身の不明を恥じ入る次第である。

 

まさかこんなところにコラートがいるとは・・・・・・。ガングリの世界は奥が深い・・・・・・。

 

そんな感慨に耽るリーダーを尻目に、この極北のコラートという珍しい新種の発見に沸き立つ取材班は意気揚々と迎えのヘリに乗り込んだ。帰ったら早速この情報をR氏に教えてあげようと嬉々として喜ぶ取材班が、ヘリの中で祝杯の用意をしていたその時である。 

 

 

 

玄関で誰かが鍵を開ける音がした。

 

 

 

 

 

脚注

*1:多分、違います。

*2:多分、違います。

*3:確認は取れていません。