今回もbrilliant-stone氏のアインハンダーに関するツイートをご紹介させて頂きます。
人工衛星みたいなものをという事で、6stボスはあのデザインになりました。ゲシュテルデューラーが動き回るので、対比として静的なイメージに。ゆっくり回転する傘状のパネルが却って不気味に見えるだろうとの考えでした。クラゲ状のモニターを隠しボス的にして、一見最終Stと思わせる想定でした。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2020年12月30日
シュヴァルツガイスト戦導入ですが、ガイアー墜落をゆっくり見せ、ゲーム終了と思いきや機種からSG離脱、加速して追いかけ、ぶ厚い雲を潜り抜けて行く…。一瞬パッと白飛びした後に成層圏の蒼い空。レンズフレアと共にゆっくり横切るSG。カメラ戻すと下に雲海。完成時は又もPGの席で大喝采しました。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2020年12月30日
大戦の影響で地表は黒く厚い雲で覆われているという大前提の設定があったからこそ、そこを突き抜けた時の澄んだ空の蒼さが強調される図式ですね。陰鬱な雰囲気も吹き飛ぶという。シュヴァルツガイストは地味ボスかなと思っていたので、後年この演出の評判が良いと知り、とても嬉しく思ったものです。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2020年12月30日
実は当時、4stボスに関しては意図的に関わりを避けたんですよ。ずっとアイディアを出してきて脳が枯渇状態だったので1回休みにさせてと。結果あの合体メカになった訳です。デザインも私が担当していないので設定画も公開出来ないのです。ご了承下さい。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2020年12月31日
後輩に便乗する形でを呟いたら、多くの方にフォローして頂き、それならばと当時の事を可能な範囲で書いてみようと思いました。1ヶ月位限定と思いましたが、とても書き切れない(苦笑)。なのでもう少しだけ続けようと思います。ファンの皆様方、アインハンダーを愛して頂き本当にありがとうございます。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2020年12月31日
ここらで難度の話。何故ここまで難しくしたのか?私は未だに懐疑的です。C社からプログラマを採用し敵セットをさせたところ、とてもクリアが出来る状態ではありません。これはいくら何でも…とディレクタに確認したところ、彼はシューターだからね…で済ませます。ちょっと待て、それでいいのかと。。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月2日
従来のStに捉われない新しいゲームを作ろうと頑張ってきたのにそんな安易な発想でいいのか?その内St好きばかり集めたデバッグが始まると更に難しくなっていき、家庭用なんだからせめて無制限プレイにしてくれと言っても結局変わらず。。この辺りでこのゲームの行く末が決まってしまった気がします。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月2日
今となっては、その難しさを乗り越えた人達が語り継いでくれた事でフォローする人が続き、そのお陰で皆様の心に残るゲームになったのだろうとは思っています。ただ、開発スタッフでもクリア出来る者も少なく、社内でも早い段階から、あれはちょっと厳しいという声が聞こえてきたのが何とも残念でした。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月2日
当時の悔しさが少し蘇ってきたので、気を取り直しCGムービーの話です。当時の世相を知る人は多いと思いますが、あの頃のPS作品はCGムービーをセットにすることが普通でした。アインハンダーでもOP、EDの他に進行の岐点となる5st以降の演出をCGムービーで作る事となり、その構成も考える事になります。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月2日
ガイアー(開発名ヨルムガンドル)発進を作る事は早い段階で決まりました。重々しくカタパルトを駆け上がっていくガイアーの巨躯を全力で追いかける自機に、どこか儚さと虚しさを感じさせる様に演出したつもりです。 pic.twitter.com/9EeTadLNa0
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月2日
EOSは開発名シヴァです。CGモデルを作る必要性から、早めにデザインを上げる必要がありました。その為各部を煮詰める時間が無かったのが少し後悔が残っています。CGを作ってくれたオム〇バスJのディレクターとは楽しいやり取りができ、忙しい中でも吸収させてもらう事が多く、楽しかったですね。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月3日
撃墜失敗時はいわゆるバッドエンディングとなります。こちらは更に空しく、虚空に消ゆるガイアー(と噴煙)を見せた後、エネルギー切れで高高度からの自由落下の様を見せていて、遠くから傍観しているウーフ群を配置する事で、ただただ孤独な一兵士の死を強調するようにしています。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月3日
撃墜したのに味方から総攻撃を受けるという成功演出。EOSは上下にアームを持つツヴァイハンダーとしてデザイン。この後宇宙戦になるので外装は宇宙機っぽく、色は最終ボスの子分的に白に。演出内容としては、哀しい程絶望感を表す激しい弾幕を掻い潜り、ラストは叛逆への意思を示す顔アップで止め! pic.twitter.com/QSZwNS5EwG
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月3日
シュヴァルツガイスト。K〇3に出てきたらしい奴はデザイナー無許可のまがい物品です(笑)。まぁ一々文句言ってたらキリがないですがね。。 pic.twitter.com/Bz04Ys9Jrl
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月3日
そしてこちらがモニター。これは例のIKプログラマに作らせる為に考えたもので、成層圏の澄んだ空でクラゲ状の機体がグネグネ動くとさぞ美しかろうと想定していました。ガイアー撃墜→SGが最終ボスと思わせておいての隠しボスで終了!と思いきや、更に真ボスのヒュペリオン登場という流れです。 pic.twitter.com/4Nbq00ryGu
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月3日
最終ボスは「神との戦い」という位置付けに。宇宙空間の上下のない感覚を表現すべく「あえて酔わせてしまえ」がコンセプトに。自機の操作法も変えている為、ここまでやっちゃうよ!という実験も含めた、ある意味壮大なオマケと言えるかもしれません。F井作曲の荘厳なBGMも神戦のイメージ通りでした。 pic.twitter.com/zpxzOsysFC
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月4日
それぞれのアインハンダーで正解です。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月4日
F井は曲の中にそういう変わった素材を入れるのが好きでしたね。別タイトルですが、シャッター音とか。。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月4日
宇宙戦闘時はブースター装備にして、入力動作も変更(この辺はプレイした人じゃないと分からない筈)。撃墜したEOSのパーツを入手して改造したという設定で、地球に協力者もいたという想定です。半年後位に宇宙へ行く展開で良いんじゃないかと思っていたものの、キリよく1か月後に最終戦に突入。 pic.twitter.com/ebZ5hrntVr
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月4日
α・アジールとかは確かにイメージに入ってますね。胸の砲台という事ですが、実は褌部分を飛ばしています。開発では男砲と言ってました。多分想像通りの発想です。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月4日
地味ボスかな〜という懸念はずっとあったんですがね。。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月4日
先日ゲーム難度に関しては辛い話をしたので、矛盾と感じるかもしれませんが、ヒュペリオン戦は一握りがクリアで出来る位で良いと思っていました。そういう意味では無重力戦という新しさは出せたと思いますが、もう少し難しくても…というか戦闘パターンがもう少しあるといいなと感じていました。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月4日
そしてEndムービーです。総力戦を戦った主人公が気を取り戻し、再び敵陣に突っ込んでいくという内容で、最後は戦闘開始したところで終わり、後はプレイしてくれた皆様のそれぞれのご想像にお任せします。という内容でした。 pic.twitter.com/RYHaYYc53b
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月4日
スタッフロール後、暗闇に足音が響きエンジン始動音と共に目が光る!というデモは企画からの要請で追加した物です。あれが時系列的にエンディング後の事なのか、7st前の事なのかは特に話もしませんでしたが、多分続編を匂わせて終わりたかったんでしょう。それが適う事はありませんでしたが…
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月4日
何故かスタッフロール時のBGMが今でも心に残っています。F井とは内容について特には話していないのですが、あのスローな物悲しい音色の中に「お前は充分やり切ったんだよ」という達成感が醸し出されていて、それがザウバー後から一転してアインハンダーを完成させた自分の気持ちと重なるのですね。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月4日
主人公が如何にして宇宙用装備を手にしたか?というのも敢えて想像力に任せる形です。先ず降下作戦に参加出来る兵士なら相応の整備スキルも持っている。そしてEOS装備を搭載したとて、それだけで大気圏突破能力まではない。何某の追加装備、もしくは協力者がいる。この辺りをネタに考えて頂ければ…
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月4日
あの写真は恋人ですね。月か地球かは想像してもらえば良いかと思います。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月5日
残りのCG、OPムービーの話です。1番目につく物なので頭を悩ませましたが、テンポ良くかつあの世界観を1発で分からせたいという事で、唐突に始まる感のあった1stの入りを補完させるべくあの内容に。自機の挙動、バルカンでのやられ方、そして変形敵グライフと、EHの独自ゲーム要素を詰め込んだ形です。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月5日
自機にエンディミオンという名前が付いたのは後半で、セレーネ英語圏、ゾードム独語圏という設定が出来た以降です。ゲームが完成に至るまでに幾度かデザインをアップデイトしましたが、さすがにCG製作にはFIXさせる必要がありました。そのモデリング用資料として描いた物ですね。 pic.twitter.com/Fg9yQL9hdR
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月5日
ガンポッドですが、当初はVCWSGHBRでした。中期にFとJが追加され、そして開発末期にMPが更に増やしましたが、この辺りは現場の意見を吸い上げた物で、個人的には「ようわからん」物でしたね。。ブレードに関してはプログラマに波動拳コマンドを入れたら何かが起きてほしいと伝えました。時代ですね。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月6日
選択メニューをどうするか? ゲームモデルではアップに耐え難い。と言ってCGモデルを用意する程の時間もない。ならばと考えたのがあの線画をワイヤーフレーム風に見せる手法です。グリッドが回転した後、機体が表示する過程は口頭だと理解して貰えないので、動画を作ってそれを再現してもらいました。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月6日
4Kすら当たり前の現代だと考え難い話ですが、PS1の解像度は256ベースでドットのガタツキが目立ちます。アルファチャンネルも使えない中、あの選択画面はチープに見えない様に色々と考えた結果でした。今なら高解像度にハイエンドモデル使って何でも自由に出来ますね。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月6日
今一度難度の件ですが、ボスの個性づけや演出等、EHを象徴するゲーム性が固まったのは3st位からです。そこからが楽しいと言えるのに、怒涛の雑魚ラッシュでやられしまい辿り着けない。家庭用なのだから回数制限など無くし、せめて時間さえかければ…5stデモ位は見れる様にして欲しかったですね。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月7日
そんな苦労の果て、ゲームも無事?に完成したものの、当時SQ社でこれだけ売れないとダメとされる数字に遠く及ばずでした。S口氏はEHはよく出来ているが赤字、だから次は会社に利益を出す物を!と言ったそうです。会社は事前事業では無いのでド正論ですね。そうしてEHは静かに消えていったのです。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月7日
発売後はネットで評価を見る事もありましたが、酷いデマもありました。Amazonのレビューでスタッフ全員解雇と書かれたものなどその典型ですね。大手の会社で解雇など有り得ません。「お前、誰に聞いてこんな適当な事書いとんねん?!」ですよね。メンタルに良くないので評価を見る事も無くなりました。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月7日
時が経ちニコニコ動画が登場すると、何気なくそこでEHのプレイ動画を見る訳です。超絶プレイと画面を覆い尽くすコメント。ああまだプレイしてくれている人がいる!嬉しくなると同時に夢中になって見ている自分がいました。熱いコメント群を見て、これはリメイク行けるんじゃないの?と思った訳です。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月8日
プレイしてもらわないとゲームの楽しさが分からないのに、わざわざ難しくして間口を狭くするのは如何なものか?と感じていた開発時のジレンマをユーザーの超絶プレイ動画が一気に解消してくれたのは鱗目でした。そしてSGの導入演出が好評という事もこの時知りました。2006、7年頃だったと思います。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月8日
SQEXもすっかり様変わりしていて、もう開発に金を掛けれなくなっている時期。そこで当時上長だった名人に、EHをPSPでリメイク少人数短期開発させて欲しい旨を伝えた訳です。が、結果はNG。時を経ても会社に赤字を出した過去タイトルとして認識されている、という事を強く気付かされただけでした。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月9日
その2年後位にも、ダメ元で他のプロデューサーに話を出した事もありましたが言うに及ばず。。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月9日
スタッフも散り散りになり、あの独自の世界観を考えた企画者も、そして当の自分も随分前に会社を離れました。再びアインハンダーが動き出す事は難しいでしょう。。
期間限定で長々と呟いてきましたが、そろそろ終わろうと思います。後輩の企画に便乗した事で、ユーザー様がフォローしてくれたのがきっかけでしたが、23年をふり返る良い機会となり、長年の喉の支えが取れた気もしています。アインハンダーのユーザー様方、本当にありがとうございました。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月9日
何故かスタッフロール時のBGMが今でも心に残っています。F井とは内容について特には話していないのですが、あのスローな物悲しい音色の中に「お前は充分やり切ったんだよ」という達成感が醸し出されていて、それがザウバー後から一転してアインハンダーを完成させた自分の気持ちと重なるのですね。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月4日
他のスタッフはどうか分かりませんが、当時の事を考えると、とても心に染み入ってくるのです。戦い(長い開発)のあとって感じで。。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月11日
1つ言い忘れ。EHのチームと武蔵伝のチームが仲が悪いという話がまことしやかに広がった事がありましたが、これも全くのデマ。スタッフ各個人間の感情までは測るべくもありませんが、少なくともチーム同士がバチバチしていた様な事はありません。どうやって広がるんですかね、ああいうの。。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月12日
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月10日
1つの説として、S口さんがインタビューで語った、EHチームは硬派で武蔵チームは和気藹々(文言は曖昧)と言った趣旨の事を拡大解釈して、広がって行ったと言うのがある。とはいえ真相不明。まぁEHのチームがギスギスしていたというのは正解。何せ寄せ集めだったからね。。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月13日
武蔵伝は正真正銘の元ゴ○モンチームだったからなぁ、仲良さそうで羨ましかった(^^;;。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月13日
最後に画像を貼って終わりにしようと思ったら、ありがたい事にファンと思しき人が沢山来てくれたので、このアカウントは今後どうしようか考えました。ただ、海外の人からのメッセージ等中々戴ける機会もないので、ちょっと勿体ないなと。。という事で今後は不定期にEHの事を呟く事にします。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月13日
オープロはEH以上に濃いですが、ファン層が違い過ぎるので悩ましいです。。
— brilliant-stone (@BrilliantStone) 2021年1月14日
ということで、 年末からbrilliant-stone氏のツイートをフォローしてきたわけですが、貴重な証言が出るわ出るわ。ファンとしてはこの上ないクリスマスプレゼント&お年玉になったのではないでしょうか。しかも、brilliant-stone氏はこれからも同アカウント上でアインハンダーのことを呟いてくれるということですので、しばらくは氏の発言に注目です(嬉しい悲鳴)。
また新しい証言がありましたら当ブログでもご紹介させて頂きたいと思います。これを機に、今後はアインハンダーの記事もどこかで上げていきたいですね。大変貴重なお話をどうもありがとうございました!