ガングリフォン・ムック(仮)

名作ゲーム、ガングリフォンシリーズについて考察するブログです。他のゲームも時々語ります。更新不定期。

第三次世界大戦戦後史・番外編⑨ ベルサリエリとエクレール

f:id:sitri:20201204000623j:plain
 当ブログで掲載している仮想戦記の番外編第9弾。今回は仮想戦記中に登場するイタリア軍とそのオリジナルAWGSに関する設定を新たに書き起こしてみました。ご興味ありましたら是非ご一読下さい。


*本稿はゲームアーツの3Dシューティングゲーム、「ガングリフォン」シリーズの内容を元にした架空戦記の番外編です。これ以前の内容については「架空戦記」カテゴリから閲覧することが出来ます。基本的に「GUNGRIFFON THE EURASIAN CONFLICT」から「GUNGRIFFON BLAZE」までの設定に準じていますが、一部に筆者のオリジナル設定も含まれていますので注意して下さい。
 また、本稿の内容は「第三次世界大戦戦後史・番外編 戦後のAWGS開発史」内の文章と一部重複する箇所がある他、現在の筆者の考えに基づき一部の設定を変更した箇所もありますが、ご了承下さい。

 

 

 

 

 

 

イタリアとフランス

 

イタリアとフランスにおけるAWGS開発の試み

 21世紀初頭、冷戦終結によって大不況に陥っていた軍事業界に一筋の光明が走る。メカトロニクスの急速な発展と共に市場に登場し始めていた、荷物運搬・土木工事用の二足歩行マシンの不整地踏破性能の高さに着目したアメリカ陸軍が、その軍事転用を考えて正式なプロジェクトをスタートさせたのである。これが既存の兵器とは全く異なる新しい兵器、AWGS(装甲歩行砲システム)開発の始まりとなった。

 不況に喘いでいた各企業はこぞってこのプロジェクトに参入、複数の企業によるトライアルという型式で開発は進められ、二脚型としてUDLP/ヴィッカース社製のM16を、多脚型としてGD社製のM15ランドクラブをそれぞれ選定し、アメリカ陸軍において制式採用されることとなった。

 これを切っ掛けにドイツやロシアといった国々も次々に追従し、世界各国で独自のAWGSを開発する機運が盛り上がった。

 長い兵器製造の伝統があるイタリアもこうした国々の一つであり、 フィアット社とOTT・ブレダ社が共同で多脚型のリットリオを開発。六脚型という特殊な歩行システムにより、多脚型の中でも取り分けて高い不整地踏破性能を発揮する本機は、PEU軍の共通多脚マシントライアルでティーガーに敗れこそしたものの、高い評価を獲得することとなった。2012年にイタリア陸軍の山岳師団への配備が開始されると、2015年に勃発した第三次世界大戦にも投入され、カッタラ窪地の戦いやキエフ攻防戦などで活躍を見せた。 

 

f:id:sitri:20200630095450j:plain

左がリットリオ。多脚型の中でも一際不整地踏破性能に優れた機体である。

 

 戦後になると敗戦国となった旧PEU諸国には重い賠償金が課せられ、ドイツやイタリアでは兵器輸出に力を入れるようになる。当然のことながら、戦後の兵器市場でもっとも注目を浴びていたのは最新兵器のAWGSであり、大戦中にその有効性が広く実証されたこともあって各国の軍で採用の機運が高まっていた。

 イタリアの各メーカーもAWGSの輸出を精力的に進め、リットリオがスウェーデンやロシア、トルコ、インド、エチオピアなどで広く採用されて再評価されたのを皮切りに、背中にガスタービン・エンジンを搭載して限定的な三次元機動力を持たせた新型機サテュロス南アフリカで採用されるなど、イタリア製兵器は輸出市場で成功を収めることとなる。

 これに自信を深めたフィアット/OTTブレダ社は、輸出市場での更なるシェア拡大を図って新しい多脚型AWGSの開発に乗り出す。それが四脚型のベリサリエリであり、リットリオで得たデータを基に構造を簡略化することでコストダウンを図ることが最大の目標とされた。

 同じ四脚型であるティーガーとの最大の違いは、車体とエンジン部分を一体化させることで構造の簡略化を図っている点で、不整地踏破性と引き換えに軽量化とコスト低減を実現している。

 装甲はリットリオと同じアルミ合金製ながら被弾率の高い砲塔前面には複合装甲を採用する一方、同じく被弾率の高い脚部にもリアクティブ・アーマーを装着することで生存性の向上を図るなど、リットリオよりも優れている部分も多い。

 主砲にはリットリオと同じ120㎜低反動滑腔砲、副武装にはリットリオのものよりも射程の劣る小型KEMを搭載している。また、脚部にコンバットタイヤを装備した高機動型も存在し、路上や平野部での走行速度はリットリオを遥かに凌駕している。

 このように、低コストながらもバランスの良い性能を実現したべリサリエリは、イタリアと関係の深いリビアエチオピアの他、南欧諸国、後には本家のイタリア陸軍でも採用されることとなり、当初想定されていた輸出市場での成功を見事に収めたと言うことが出来る。

 

f:id:sitri:20201203235735j:plain

 

 弱点は多脚型としてはやや高めの車高で、被発見率もそれに応じて高くなってしまっている。2021年4月に始まった対APC戦では、PEU・南欧諸国合同部隊の主力としてウクライナに派遣されたイタリア軍部隊がベリサリエリを装備していたが、この際に同機を運用した現地部隊からは車高の高さから周辺視察能力が高い反面、被発見率も高く、特に砲塔部に被弾するケースが多かったと報告されている。

 この弱点は2021年10月に起こったエル・アラ・メインの戦いで顕著に表れ、ミティリア高地正面においてPEU・イタリア軍リビア軍が使用したベリサリエリがOAU軍のエレファントやレオパルドⅢに狙い撃ちされ、多数の機体が破壊される結果となった。 

 一方、南端のカッタラ窪地では泥濘地を突破して奇襲を掛けようとしたフランス外人部隊の攻撃を、少数のリットリオとベリサリエリを装備したエチオピア軍が食い止める活躍を見せた。これはその車高の高さと脚部による柔軟な姿勢変更を活かして眼下のフランス軍を容易に狙い撃ち出来たためで、場合によっては車高の高さがメリットになり得ることも示している。

 

 イタリアと同様にAWGSの輸出に積極的だったのがフランスである。ルノー社が戦前に開発した二脚型のAUTRUCHEは、ダチョウによく似た歩行システムを持った軽量型のAWGSで、当初から輸出市場を狙って開発されていた。

 輸出用ということでコスト低減を第一に開発されたが、追加パーツや特注仕様でグレードを高めることも可能だった。このルノー社の戦略はある程度成功を収め、自国のフランス陸軍だけでなく、サウジアラビアエチオピアUAEといった国々でも採用されることとなった。

 戦後になるとフランスはATURUCHEの強化版であるSUPERAUTRUCHEを開発。これはAUTRUCHEの主砲であるKDA35㎜連装機関砲を独立して仰角を取れるようにするなどのマイナーチェンジを施したバージョンだったが、これも軍備増強に励むトルコなどで採用され、また、既にAUTRUCHEを配備していた国々でも順次改良が施された。

 

 イタリアとフランスでは共に長らく第二世代AWGSの開発計画が持ち上がらなかったが、日米独のHIGH‐MACS部隊が猛威を振るった大戦後になると国産機開発の機運が急速に盛り上がってくる。

 その一つの兆候が上述したサテュロスであった。背部にガスタービン・エンジンを装備することで限定的な三次元機動力を付与したサテュロスは、第1.5世代とでも言うべきユニークなコンセプトが評価され、後にLOW‐MACSと呼ばれることになる新しいジャンルの兵器の嚆矢となった。サテュロスのコンセプトはやがてイギリスのハイランダーやウォードレイダーへと継承され、発展を遂げていくことになる。

 このサテュロスの登場は同時に、イタリアにおける第二世代AWGSの開発の兆候として軍事関係者の注目を集め、コストや時間といったリスク回避のためにフランスやイギリスと共同で第二世代AWGSの開発に取り組むのではないかという観測が流れていた。

 実際、三カ国による共同開発計画が立ち上げられていたが、共同開発にありがちな要求性能の違いや開発費の負担の割合を巡って各国の主張が対立。あくまでも性能を重視するイギリスとコスト低減を重視するフランスやイタリアとの溝は最後まで埋まらず、計画は暗礁に乗り上げた。

 また、ドイツが開発したヤークトパンターの廉価版であるフォルクスパンターが既に市場を席巻していたこともこれに拍車を掛けた。フォルクスパンターは装甲や武装、機動性、その全ての性能でオリジナルよりも劣っていたが、比較的安価に第二世代AWGSを揃えられることは大きなメリットであり、旧PEU諸国やロシア、南アフリカなどで広く普及が進んでいた。戦後の財政難に喘ぐ各国にとって、わざわざ高価な新型機を開発するよりも、フォルクスパンターで賄う方が遥かに安上がりだったのである。

 特にイギリスは戦後にアメリカから取得したVW‐1が配備済みで、すぐに国産の第二世代AWGSを必要とするような状況ではなかったこともあって早々に計画からの離脱を発表、共同開発は中止に追い込まれた。

 

 しかし、イタリアとフランスはこの計画によって得られたデータを基に第二世代AWGSの研究・開発を独自に続け、数年後にそれぞれ試作機を完成させることになる。先に完成したのはイタリアのフォルゴーレで、フォルクスパンターを踏襲したオーソドックスなスタイルと低コストが売りの第二世代AWGSであった。第二世代AWGSとしては平均的な性能を持つ機体であったが、フォルクスパンターよりも軽量で空力特性に優れた形状をしている分、空中機動性でやや勝り、コストパフォーマンスの点でも優れていると評価された。

 一方、フランスではAUTRUCHEを開発したルノー社とヘリ開発で実績のあるアエロスパシアル社が独自の第二世代AWGSエクレールを開発したが、こちらもフォルゴーレ同様にフォルクスパンターを踏襲したスタイルの機体で、比較的安価で高い空中機動性を発揮することがコンセプトとされているようである。

 

 こうした傾向を見るにつれ、今後の第二世代AWGS開発の大きな潮流はHIGH‐MACSシリーズやヤークトパンターシリーズに代表される高性能を追求した高級機と、フォルクスパンターやフォルゴーレに代表される安価でコストパフォーマンスを追求した低価格機の二つに分かれていくことが予想される。
 基本的に第二世代AWGSの価格は陸軍が装備する装備品の中でも取り分けて高いものであり、最新鋭の攻撃ヘリと同等か、それ以上になる場合が多い。また、それを運用するシステムの構築や整備・維持に掛かるコストも莫大なものになることから、先進国の軍隊でも大きな負担となっているのが実情だ。

 こうした状況を考えれば、その構造を簡易化することでコストダウンを図り、導入のハードルそのものを下げようという試みは大いに有効であると考えられる。こうした取り組みはHIGH‐MACSに対するLOW‐MACSのような位置づけと共通するものがあり、第二世代AWGSの技術の普及が進んでいる証左でもある。

 近い将来、第二世代AWGSの低コスト化が進み、ごく一般的な兵器として普及した時、戦場の未来はどう変わるのであろうか?今後もその動向から目が離せない。

 

イタリア軍、かく戦えり

 第三次世界大戦勃発前、APCとの戦いに対するPEU加盟国の態度は分かれていた。これは近年に深刻化した食糧不足とそれによる各国の抱える食糧事情の違いに端を発しており、ドイツやフランスが豊作と凶作が一年ごとに交代する不安定な状況であるのに対し、豊作続きのイギリスや他国に輸出するだけの余裕がある南欧諸国は危機感が薄く、戦争に対して反対の立場を取っていたのである。

 イタリアもまた、イギリス同様に戦争には反対の立場を取っていた国の一つだった。第三次大戦の序盤戦となる北アフリカの戦いにおいては、かつての植民地であったリビアと同盟を組んだ手前、部隊を派遣せざるを得なかったものの、続くウクライナの戦いにおいてもイタリア政府の消極的態度は変わらず、いずれの場合でも小規模の派兵に止まっていた。

 このイタリア政府の姿勢が変化したのはシベリアの各共和国がロシアからの独立を宣言した2015年4月以降で、エネルギーやレアメタルの供給停止という死活問題を前に、同じく戦争に反対の立場を取っていたイギリスと共に1個機甲旅団を前線に送ったのである。

 

 戦争に対するこうしたイタリアの消極姿勢は、第二次大戦の際のそれとよく似ていた。実際、戦地に派遣された現地のイタリア軍も本国の空気を反映してか戦意も低く、ドイツ軍やフランス軍の間には大きな開きがあった。もっとも、PEUの優勢を決定づけたウランバートル会戦以降はイタリア軍の士気も上昇し、本国から部隊を増派するなど、戦意は向上していった。

 しかし、8月のAFTA参戦と9月のイギリスのPEU離脱を受けてイタリア政府の戦意は再び低下し、AFTA軍のノルマンディー上陸以降はイタリア軍の抵抗も下火となった。これはイタリア政府が戦火による被害の拡大を恐れたためで、AFTA軍によるイタリア本土への上陸作戦も抵抗らしい抵抗を受けずに終わり、イタリアは早々に降伏した。

 

 戦後になると、イタリアはアメリカ主導の国連PKOに参加し、積極的に部隊を派兵するようになる。特にソマリアカンボジアではセンタウロ装輪装甲車やリットリオで重武装したイタリア軍PKO部隊が活躍し、軽装備のまま派遣されて壊滅的損害を出した日本の自衛隊と明暗を分けることになった。防衛庁関係者はこの際のイタリアPKO部隊の装備の充実ぶりを見て、日本外人部隊再編の必要性を痛感するようになったと言われている。

 

 21年3月にロシア内戦が勃発すると、イタリアは再結成されたPEU軍の一員としてウクライナに部隊を派兵し、南欧諸国合同部隊の主力としてウクライナ・トルコ軍を抑え込んだ。

 また、同年5月に勃発した第五次中東戦争では、再びリビアと同盟を組んだPEU軍北アフリカ派遣軍の構成部隊としてアリエテ機甲旅団とガリバルディ機械化歩兵旅団の二個旅団を送り込むと共に、イタリア半島をPEU空軍の前線基地として提供し、エル・アラ・メインの戦いにおける勝利に貢献している。

 エル・アラ・メインの戦いでミスティリア高地のOAU軍主力部隊と砲火を交えたイタリア軍は、共に攻勢を掛けたリビア軍機甲旅団と共に大きな損害を受け、少なくない犠牲を払うこととなった。しかし、その勇敢な戦いぶりは第二次大戦におけるイタリア軍の悪名を払拭するのに十分なものであり、かつての同盟国であるドイツ軍将兵からの信頼を勝ち取るに十分なものだったと言われている。

 

もう一つの外人部隊

 2015年に勃発した第三次世界大戦において、新型の三次元機動兵器HIGH‐MACSを駆って一躍有名を馳せた日本外人部隊。中国をはじめとするアジア各国からの軍事的貢献を求められた日本が発足させたこの部隊は、戦力の保持を禁じた憲法をすり抜けるための奇策として生み出された。

 そのモデルとなったのがかの有名なフランス外人部隊であり、一連のナポレオン戦争で減少した人口から来る兵士不足の解消を目的として創設されたこの部隊は、長い歴史を経てフランス軍でも有数の精鋭部隊の一つとなった。

 同隊は第三次世界大戦においてもフランス軍の主力を務め、灼熱の北アフリカから極寒のシベリア、果ては中国まで転戦。8月にAFTA軍が参戦すると本国に後退し、AFTA軍のノルマンディー上陸に備えて防備を固めたが、完全なる航空優勢下で迫るAFTA軍の火力は圧倒的であり、瞬く間にパリが陥落してフランスの第三次世界大戦終結した。

 

 戦後になると、フランスはイタリアやイギリスと共にアメリカ主導の国連PKOに協力し、外人部隊を世界各地の紛争地帯に送り込んだ。特に、2018年に起こったOAU軍のエジプト侵攻の際にはPKO部隊の一員として派兵され、日本外人部隊と共にOAU軍と砲火を交えた。

 アメリカ内戦が勃発すると、再結成されたPEUに加盟。21年3月に起こったAPCのシベリア侵攻の際にはPEU合同緊急展開軍の一員としてフランス軍第11落下傘旅団を派兵し、反撃の一翼を担った。ロシア連邦軍の制圧するオムスク攻略を担当したフランス軍の第1驃騎兵落下傘連隊及び外人部隊の第1外人騎兵連隊は、ロシア空挺軍の第7親衛空挺師団と共にオムスク近郊に降下し、これを制圧することに成功。敗走するロシア連邦軍を追撃し、カザフスタンまで撤退させた。

 

 21年5月に始まった第五次中東戦争では、南アフリカ・OAUの中東支配を阻止するために北アフリカへの派兵を決定。PEU・リビア派遣軍の第一陣としてフランス外人部隊の第2外人落下傘連隊と第1外人騎兵連隊を派兵し、リビア政府の支援に当たらせたが、南アフリカ軍第44落下傘旅団と空挺コマンドによる先制奇襲を受け、大きな損害を出した。

 しかし、この先制攻撃によって中東への派兵に慎重な姿勢を示していたPEU各国の世論は沸騰し、却ってその戦意を高めるという皮肉な結果をもたらすこととなった。当初は中東地域の安定化を目的とした小規模な派兵に留める方針だった北アフリカ派遣軍の戦力は、時間の経過と共に日々増強されていったのである。

 その主力はリビアアルジェリア宗主国であるイタリアとフランスで、雪辱に燃えるフランスは緊急展開部隊である第6軽機甲師団及び第11落下傘旅団、フランス外人部隊の第13准旅団を新たに派兵し、イタリアもアリエテ機甲旅団とガリバルディ機械化歩兵旅団などを送り込んだ。

 続くエル・アラ・メインの戦いにおいて、フランス軍は南のカッタラ低地を突破してOAU軍の左翼を崩壊させんとしたが、高所を占めたエチオピア軍と南アフリカ軍の予想外の反撃に合い失敗。それでも戦場中央での戦況が決すると態勢を立て直して追撃に移り、逆襲を果している。

 祖国のために大きな犠牲を払いつつも戦う同隊の姿は、日本外人部隊のそれと重なる。精強で鳴るフランス外人部隊の伝統は今後も続いていくことだろう。

 

イタリア軍及びフランス軍部隊の編制

*筆者の知識が足りないため、各部隊の編成や装備品についてはかなり適当に決めています。

 

アリエテ機甲旅団の編制(2021年8月時点)

第4戦車連隊(C1アリエテ)
第32戦車連隊(C1アリエテ)
第132戦車連隊(C1アリエテ)
第3ベルサリエーリ連隊
第11ベルサリエーリ連隊
第132砲兵連隊(リットリオ?)
第10工兵連隊

 

フランス外人部隊第1外人騎兵連隊の編制(2021年8月時点)

連隊本部
本部管理中隊
第1中隊(AMX-10RC)
第2中隊(AMX-10RC)
第3中隊(AMX-10RC)
第4中隊 (AMX-10RC)
偵察中隊(SUPERAUTRUCHE)
管理支援中隊(武器・車両・通信・整備)

 

フランス外人部隊第13准旅団の編制(2021年8月時点)

本部管理中隊

1個偵察中隊(ERC‐90、SUPERAUTRUCHE)
5個戦闘中隊(VAB)
1個予備中隊

 

機体解説

 

リットリオ(フィアット/OTT・ブレダ

f:id:sitri:20200630095450j:plain

左がリットリオ。多脚型AWGSの中でも一際高い不整地踏破性能を持つ。

・旧PEU共通多脚型マシン構想に基づいてイタリアが開発した六脚型AWGS。トライアルではドイツのティーガーに敗れたものの、その高い不整地踏破性能から戦後に再評価が進んだ。

 装甲をアルミ合金製の全溶接構造とすることで大幅な軽量化を実現しており、六脚型の割に重量は軽く、機動力も高い。武装には低反動化した120㎜滑腔砲と長射程のL‐KEMを装備しており、十分な火力を有している。

 本機はイタリア陸軍の山岳部隊に配備されている他、戦後はロシアやトルコ、スウェーデン、インド、エチオピアなどでも採用されている。

 

ベリサリエリフィアット/OTTブレダ

f:id:sitri:20201203235735j:plain

・イタリアが開発した四脚型AWGS。戦後の重い賠償金支払いの為、当初から輸出を前提に開発が進められており、同社製のリットリオに比べて構造の簡略化とコストダウンが図られている。

 リットリオとは対照的に平地での機動性を重視した機体で、コンバットタイヤを標準装備している。装甲はアルミ合金製の全溶接構造だが、砲塔前面には複合装甲を採用。被弾の多い脚部にもリアクティブアーマーを取り付けて生存性の向上を図っている。武装には120㎜低反動滑腔砲と小型KEMランチャーを搭載。

 輸出は好調であり、リビアエチオピアなどで採用された他、本国のイタリア陸軍でも配備が進んでいる。

 

サテュロス/サテュロスMk2(?)

・イタリアが開発した二脚型AWGS。背部に設けられたガスタービン・エンジンによって短時間ながらもジャンプが可能で、重量級特有の機動力不足をある程度解消している。三次元機動と言えるほどの代物ではないが、第一世代AWGSと第二世代AWGSの中間に位置するユニークな機体である。

 ややトップヘビー気味の為、武装はKEMとグレネードのみとなっているが、厚い装甲から来る防御力の高さが強み。ユニークな特徴を持つ本機は、本国イタリアの他に南アフリカエチオピア等が採用している。

  サテュロスMk2は背部のガスタービン・エンジンを改良したタイプで、通常型ではやや問題のあったジャンプ機能の強化を図っている。また、新たな武装として30㎜ガトリング砲が用意されたため、作戦運用の柔軟性が増している。

 

AUTRUCHE/SUPERAUTRUCHE(ルノー

・フランスが輸出市場を狙って開発した二脚型AWGS。ダチョウのような独特の歩行システムと軽快な機動性を持ち、コンバットタイヤを装備していない二脚型の中ではかなりの機動力を誇る。装甲はアルミ合金製だが、モジュラー装甲を採用している為、運用国の要望に合わせてよりグレードの高い装甲に交換することも可能となっている。

 SUPERAUTRUCHEはその改良型で、旧型との大きな違いは35㎜二連装機関砲を可動式としたことで、これにより砲身のみを動かすだけで一定の射角が取れるようになっている。

 サウジアラビアエチオピアなどで採用された後に、本国のフランス陸軍でも採用された。また、戦後はAFTA軍に鹵獲された機体が中南米諸国等にも流通し、アルゼンチンやチリなどで配備が進んでいる。

 

フォルゴーレ(フィアット/OTTブレダ/アグスタ

・イタリアが開発した第二世代AWGS。ドイツのフォルクスパンター同様にコスト低減を第一とし、比較的安価なコストで高い三次元機動力を実現することをコンセプトとして開発された。その分だけ性能は平均的で、設計もフォルクスパンターを踏襲した保守的なものだが、同機よりも軽量で空力特性に優れた形状をしている分、空中機動性ではやや勝っている。尚、エンジンは二発装備しているが、出力そのものは低い。

 主武装には30㎜ガトリング砲、副武装にはKEMかロケットランチャーを装備可能で、いずれもスタブウイングに直接取り付ける方式を採用している。

 

エクレールルノー/アエロスパシアル

・ フランスが開発した第二世代AWGS。イタリアと共同開発していた機体がベースとなっているため、その開発コンセプトやスタイルはフォルゴーレと非常に良く似ている。ただし、フォルゴーレが空中機動性を重視したのに対し、エクレールはより対戦車戦闘や生存性を重視した機体となっており、コックピット部分の装甲が厚めに取られている他、105㎜滑腔砲がオプション武装として用意されている。

 

 

 

 

 

脚注