前回に引き続きレゴ作品によるジオラマ撮影です。本稿は架空戦記の「第三次世界大戦戦後史②ロシア崩壊」をイメージしています。
2021年4月、ロシア国内の混乱の隙を突いてシベリアに侵攻したAPC軍はシベリア共同体軍と共に破竹の進撃を続け、シベリアの中心的都市ノボシビルスクを陥落させた。これに対し、エネルギー・資源の大部分をシベリアに依存するヨーロッパ諸国はロシア救援の行動を起こすことで一致団結。PEUを再結成すると共に急遽各国の部隊からなるロシア救援軍を編成し、シベリアに派遣した。
ドイツ軍第26降下猟兵旅団とイギリス軍第16空中強襲旅団によるAPC軍主力部隊への奇襲攻撃を皮切りに、一挙に反転攻勢に出るロシア・PEU軍。新PEUに加盟した北欧諸国の部隊もまた、合同軍を編成してその攻勢の一翼を担っていた。
意外にもシベリアで活躍を見せたのが北欧の部隊であった。スウェーデンを中心とした北欧各国の部隊は国土に河川や湖沼が多いこともあって水陸両用性能を持つ兵器を多く所有しており、地理的条件の似ているシベリアで大いに威力を発揮したのである。
特に活躍したのがクリミアでも活躍したスウェーデン製の水陸両用AWGSフロッシュであった。この機体は水上浮航能力だけでなく、短時間ならば水中に潜水することも可能であり、各地で奇襲や待ち伏せ攻撃を行ってAPC軍を大いに悩ませた。
また、北欧各国が標準装備するスイス製のバルフンド*6も予想外の活躍を見せた。この機体は偵察用として開発された小型の四脚型AWGSながら、ティーガー以上の高い不整地踏破性能と機動力を持っており、ノボシビルスク周辺の湿地帯でも楽々と行動することが出来たのである。
中国国内の混乱はシベリアの中国・APC軍にも伝染した。インド・ベトナム軍が中国に侵攻するとの噂が流れたことで、部隊の統率に乱れが出ていた。この混乱の隙を突いてPEU軍はノボシビルスク戦線で大規模な攻勢を仕掛け、APC軍の防衛線を突破することに成功する。
現況ではノボシビルスクを保持し続けるのは不可能と判断したAPC軍総司令部は、現地部隊に東部のイルクーツクに向けて撤退するよう指示する。しかし、中国軍の装備する13式や14式は機動力に問題を抱えており、シベリアの泥土もあって撤退は遅々として進まなかった。
一方、ノボシビルスクを奪還して勢いに乗るPEU軍はこれを猛追。復讐に燃えるロシア軍とドイツ・フランス軍の機甲部隊が追撃の先陣を切った。部隊の先頭を行くのは脚部にコンバットタイヤを装備した高機動型のストゥームティーガーとストゥームパンターで、泥土にはまって逃げ遅れたAPC軍の車両を次々に血祭りに上げていった。
そのやや後方からフランス軍のSUPERAUTRUCHEと、独仏露・ベネルスク諸国の戦車部隊が味方の撃ち漏らした敵を掃討しながら進撃していた。更に、ノボシビルスク州北部でもイギリス軍とスウェーデン・デンマーク・ノルウェー・フィンランドからなる北欧諸国の合同部隊が撤退するシベリア共同体軍を猛追しながら東進を続け、主力軍を支援した。