ガングリフォン・ムック(仮)

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第三次世界大戦戦後史・番外編⑤ 戦後のAWGS開発史③

 仮想戦記に登場するオリジナルAWGSとその設定集です。仮想戦記は終わりましたが、設定遊びは今後も続けます。 

 

 

 

 

 

 

戦後のAWGS開発史

 

HIGH‐MACSシリーズの模索

 戦場に登場すると共に陸戦の様相を一変させてしまった新型兵器、HIGH‐MACS。その初期の発展が専守防衛を国策とする日本において展開されることになったのは歴史の皮肉であるが、その背景に第三次世界大戦を目前に控えた険悪な世界情勢があったことは疑いない。

 2008年にアメリカがAFTAを締結して国際社会から離脱して以降、二大勢力となったAPCとPEUは激しい市場獲得競争を繰り広げ、やがてアフリカという巨大市場を巡って大規模な軍事衝突を招き、第三次世界大戦の口火を切ることになる。

 このドラスティックな国際環境の変化の波を最も大きく受けた国の一つが日本であった。アメリカによる日米安全保障条約の一方的な破棄とそれによる政治的・軍事的環境の劇的な変化は、戦後一貫して対米追従路線を継続してきた日本の政策を大きく転換させると共に、国内外の諸問題において様々な議論を呼ばずにはおかなかった。APCへの加盟と中国の圧力による憲法改正APC軍への参加要請と日本外人部隊の設立。数年に渡る激しい国内議論を経て海外派兵を可能とする体制がこれほど急速に整ったのも、当時の世界情勢の変化の激しさを物語っている。

 

 こうした動きは取り分けて軍事の世界にも大きな影響を及ぼさずにはおかなかった。21世紀になって登場したAWGS(装甲歩行砲システム)をはじめとする数々の新型兵器の急速な普及を促し、その発展形である第二世代型AWGSの登場をもたらす原動力となったのも、やはり険悪化する世界情勢が背景にあったことは間違いない。

 こうした国際環境の中で、日本は史上初の第二世代型AWGSである12式の完成から僅か4年の内に12式改と16式という二機の後継機を矢継ぎ早に開発する異例の事態となったのである。この兵器としては異例過ぎる開発ペースの早さにも、当時の世界情勢が如実に反映されていたと言えるだろう。

 

 しかし、この16式の登場以降、HIGH‐MACSシリーズの開発スピードはやや鈍化することになる。これには大戦の終結で大規模な軍事的衝突の可能性が低下したことや、戦後の賠償金支払いや食糧危機の深刻化によって財政事情が逼迫し、新型機開発の予算が確保出来なかったこともさることながら、16式自体の高い完成度も多分に影響していたと考えるのが妥当だろう。

 というのも、一つの兵器として見た場合16式は非常に優秀な兵器であり、ある意味で言えばHIGH‐MACSという兵器の一つの完成形であると言えるからだ。12式を上回る高い機動性、高度なFCSの採用による柔軟且つ多彩な武装の運用、C-17輸送機で四機が輸送出来る戦略輸送性の高さなどなど、およそ空挺部隊に求められる要求はほぼ完璧に満たした16式は、HIGH‐MACSという兵器の一つの完成系と言っても過言ではなかった。 また、汎用性にも優れており、一機で攻撃機から支援機まで幅広くこなせる一種のマルチロール機だったこともこの傾向に拍車を掛けた。

 このため、16式を装備・運用した日本外人部隊は大戦終結後の2015年から2022年に至るまで、すでに保有する12式と高級機の12式改、コストパフォーマンスに優れる16式とを同時に運用するハイロー・ミックスで編成を維持し続けることが出来たのである。この16式の汎用性の高さが、逆に次世代型機の出現を難しくしていた感は否めなかった。

 この辺りの事情は12式と同型機ながらより多彩な武装を持ち汎用性にも優れるVW‐1があったために、日本の16式に関心を示さなかった米軍の事情とよく似ていた。日本同様にHIGH‐MACS開発で各国の先陣を切ったアメリカだったが、そのお膝元の米軍でも2013年のVW‐1の制式化から2022年に至るまでの実に9年もの間、長らくその後継機は現れなかったのである(これには内戦勃発でVW‐2の開発がストップした事情もあるが)。

 

 しかし、2020年のアメリカ内戦を切っ掛けとしてこうした状況にも変化が生まれる。2020年1月11日、首都ワシントンで起こった核テロは一瞬でアメリカの政府機能を停止させ、北部・南部・西部の三つ巴の内戦を国内に巻き起こした。唯一の超大国アメリカの崩壊は再び世界情勢の急激な悪化を引き起こさずにはおかず、中国やロシアといった反米的な国々の跳梁を許すこととなった。

 この際、アメリカ西部連邦と結託して内戦に介入した日本は、日本外人部隊の第501機動対戦車中隊を派遣して北部連邦軍と交戦。同時に、中国がアメリカの隙を突いて再結成したAPCにも加盟し、二重外交を繰り広げることになるが、こうした国際環境の変化が再び日本のHIGH-MACS開発を前進させることとなったのも、上記のような経緯を踏まえれば至極当然のことだったと言える。

 

 そして2020年3月、防衛庁は日本を取り巻く国際的・軍事的環境の劇的な変化と、今後登場が予測される各国の新型第二世代型AWGSに対応するべく、16式の改良計画をスタートさせた。日本国内の飢餓の進行で財政事情が逼迫していることもあり、莫大なコストが掛かる新型機開発は避けて現行の16式の性能向上を図ることでこの難局を乗り切ろうとしたのである。

 この改良は防衛庁技術研究本部が担当し、12式改同様に改良部分を絞ることで開発期間の短縮が図られる計画であった。しかし、過度の重量増加は16式の特色である戦略輸送性の悪化を招くことから改良は極めて限定的なものとなったこともあり、さしたる性能向上には繋がらなかったというのが一般的な見方である。結局、改良は部分的な形状変更や電装品の交換などのマイナーチェンジ程度のもので終わることとなり、ごく少数の機体が16式改として制式化され配備されるにとどまった。

 

 この計画の際、16式の開発時と同様に一からの再設計を提案したのがMDM社だった。MDM社は16式の開発以降も次世代のHIGH‐MACSの概念研究を続けており、先進的なアイデアを多数盛り込んだ新型機の研究を進めていたのである。

 しかし、防衛庁は従来機以上に高度な電子機器を満載した機体設計や12式改以上とも言われた高コスト化に難色を示し、この時点でのMDM社案の採用は見送られることになった。この結果、従来通り現行の12式に加えて12式改、16式とその改良型である16式改のハイローミックス編成で戦力を維持する方針が継続されることになった。国内の三割にあたる人口が餓死した日本にとって、これ以上の新型機開発は重い負担だったのである。

 

 しかし、アメリカ内戦勃発以降の世界情勢の急激な変化とそれによる各国の兵器開発競争の激化は、HIGH‐MACSシリーズの地位を脅かさずにはおかなかった。アメリカの分裂、APCとPEUの再結成、中印・中露の衝突、OAUの中東侵攻と、日々目まぐるしく変わる世界情勢は兵器開発のスピードを再び加速させ、その速さは12式をも旧式兵器とするに十分だったのである。

 こうした流れの中で、日米独以外の国でも第二世代AWGSを自主開発する国が続々と出始める。ロシアのヴァルチャーと南アフリカのボスファルクはその代表例で、モンゴルと中東において数度交戦した日本外人部隊の16式から採られた戦闘データは、それらの機体が16式と同等か、それ以上の性能を持つことを示していた。

 また、イタリアやイギリスといった国々でもこれに追随する動きが出始め、第1.5世代型AWGSとも言えるサティロスやハイランダーが出現し、また、内戦勃発前にはアメリカでもVW‐1の後継機となるVW‐2開発の噂が漏れ伝わって来ていた。

 そして日米と共に第二世代型AWGSの先陣を切ったドイツでは、傑作機ヤークトパンターをフラッシュアップして驚異的な空中機動性と格闘性能を与えたヤークトパンターⅢが登場し、いよいよ16式の牙城を突き崩すこととなる。

 2021年10月のエル・アラメインの戦いで初めて実戦投入されたヤークトパンターⅢの戦闘データの解析を進めていた防衛庁技術研究本部とMDM社研究チームは、仮に16式とヤークトパンターⅢが戦った場合、共にヤークトパンターⅢに軍配が上がるというシミュレーション結果を弾き出すこととなったのである。

 幸いにも、中東の戦いでAPCとPEUが干戈を交えることこそなかったものの、その解析結果は防衛庁の重い腰を上げさせるに十分足るものだった。こうしてMDM社案をベースとした新型機開発の機運が醸成され、形ばかりのトライアルを経てHIGH‐MACSVの開発が本格的にスタートすることになったのである。

 

頭目の獅子

 こうしてスタートしたHIGH‐MACSVの開発はしかし、その当初から難航することとなった。その最大の原因は開発を担当したMDM社と防衛庁技術研究本部の方針の違いで、VRやARといった最先端技術を惜しみなく投入して全く新しい次世代兵器を開発しようとしたMDM社に対し、開発時間短縮のためにより現実的な案を要求した防衛庁側との間には計画開始の時点ですでに大きな溝があったのである。かつて12式の後継機計画が持ち上がった際に、両者が共に全く違う方向性の12式改と16式という二機のHIGH‐MACSを生み出した時と同じ状況が繰り返されることになったのである。

 もっとも、防衛庁側が難色を示したのも理由のないことではなかった。当初提示されたMDM社案は12式改の運動性能と16式の機動性を両立させつつ、VRやARといった最先端技術を全面的に導入した非常に贅沢な作りの機体で、その開発コストは高級機の12式改すら軽く上回るものであった。

 深刻な財政難に陥っていた日本にとって新型機の開発は重い負担であり、まして大量生産による単価の低下も見込めない以上、より現実的な案を求めた防衛庁側の要求も無理からぬことであった。協議の末にMDM社は当初の開発案を大幅に修正することとなったが、このことが開発計画に大きな狂いを生じさせる結果となる。

 

 特にその影響を受けたのが開発費の半分以上を占めるとも言われる電子機器で、コスト低減のために一部の機器と複数の先進的な機能の搭載が見送られることとなった。 この措置によってその機体性能は本来予定されていた数値の6割近くまで低下してしまったが、MDM社側の申し入れによって将来的に機能を拡張していく余地を残すことで合意がなされ、段階的な性能向上を図ることで対応していく方針が採られた。

 また、当初の予定では武装も新型の120㎜滑腔砲が搭載される予定であったが、防衛庁側が現行の12式や16式との互換性を保つために従来のシリーズの武装も扱えるよう要求したため、現行の105㎜滑腔砲の砲身長を伸ばしたものに変更。新型弾頭を採用することで威力と精度の向上を図ったが、この開発にもまた時間を奪われることとなった。

  

 こうした紆余曲折を経ながらも2022年の5月末には沖縄のMDM社座間研究所で試作機がロールアウトし、直ちに性能評価テストが行われた。が、計画が二転三転した影響もあって多くの問題が表面化することとなり、一時は計画の存続自体が危ぶまれる事態となる。

 この危機的状況に対して開発チームは不眠不休で問題点の解決に取り組み、その努力もあって8月中には試作機の改良が完了。その完成度自体は尚6割程度であったものの、表面化した問題点の解決に目途がついたこともあって第504機動対戦車中隊に急遽2機の試作機が送られ、オーストラリア大陸で実戦配備テストが行われることとなった(急の決定だったため、この時点ではまだ制式化されていなかった)。

 試作段階の機体ということもあり、当初は機体を運用する現場でもその能力を不安視する声が多かったものの、実際に戦闘に投入されるとその評価は一変した。16式を遥かに上回る運動性能と高度なFCSがもたらす絶対的な先制攻撃能力は、開けた地形の多いオーストラリア大陸での戦いにおいて特に威力を発揮し、それは同隊の驚異的な戦果となってすぐに現れた。10月には米軍の新鋭機であるVW‐2やV‐MACS部隊と交戦するも、互角以上の戦いを見せて米軍の技術関係者を慌てさせたと言われている。

 

 しかし、10月に入ると日本政府が突如としてアメリカ・AFTAとの同盟を締結してAPCを離脱したため、海外に展開していた日本外人部隊は味方のAPC軍からの攻撃を受けて壊滅。第504機動対戦車中隊もその戦力の過半を失うこととなり、2機のHIGH‐MACSVも1機は攻撃によって破壊され、残されたもう1機も機密保持のために自爆措置が取られた。幸い、オーストラリア大陸で収集された二機の戦闘データはすでに本国に送られていたため、MDM社はこの貴重な実戦経験を新型機の開発に投入することが出来た。

 こうして紆余曲折を経ながらHIGH‐MACSVの開発は続行され、更に数度の性能試験を経て翌年の2023年1月には23式装甲歩行戦闘車として制式化。再編された第501機動対戦車中隊に配備された後、北部連邦軍の支援要請に基づいてアメリカへと送られることとなったのである。

 

 しかし、HIGH‐MACSVを待つ運命は最後まで数奇なものだった。

 

 2023年3月17日、内戦の長期化を恐れた北部連邦は核兵器の使用を示唆。閉鎖されていたアラスカの旧戦略ミサイル基地を再稼働させ、ヒューストンを標的として南部盟邦に降伏を迫った。

 この時、アラスカ近海を飛行していた第501機動対戦車中隊とHIGH‐MACSVを搭載したC‐17の編隊は独断で航路を変更。同隊は命令を無視してアラスカ上空で空挺降下し、旧戦略ミサイル基地の制圧と核ミサイルの発射阻止を目指したのである。

 この戦いの結果は公式には記録されていないが、基地内に突入した数機の23式は北部連邦軍の守備隊に配備されたVW-2を相手に互角以上の戦いぶりを見せ、核ミサイルの発射を阻止することに成功したと言われている。 

 

V‐MACS、その可能性と限界

 アメリカ内戦において初めて登場した新型兵器、V‐MACS。試作段階で投入されたということもあり、内戦中は完成度の低さからさしたる活躍が出来なかったものの、その高い機動性と不整地踏破性を両立したコンセプトは一定の評価を得たことから、内戦終結後、再編された米陸軍とDARPAはVV‐1キマイラの問題点をピックアップした新型機の開発に乗り出すことになる。

 V‐MACSの最大の問題点は重量効率の悪さから来る武装と装甲の弱さだった。車両形態と歩行形態という二つの形態に加えて複雑な変形機構を備えたV‐MACSは、従来のAWGSに比べても重量効率が極端に悪く、必然的に厚い装甲や強力な武装を施すことが出来なかったのである。と言って、武装や装甲を強力にすればするほど、V‐MACS本来の強みである機動性が失われてしまうことにも繋がりかねず、開発チームはこの難問をクリアするために試行錯誤を続けた。

 そもそも、装甲車両とAWGSの長所を両立するV‐MACSの特徴はコンセプトとしては中途半端になる可能性も秘めていた。路上での速度を重視するならば従来型の装甲車両でも十分な速度が出せる上に、被弾投影面積も遥かに小さくすることが可能で、コスト的にも遥かに安価に揃えることが出来た。

 一方、不整地踏破能力に関して言えば従来型のAWGSでも十分な性能を持っており、こちらもやはり車両形態への変形機構を組み込まなくて良い分、重量効率でもコスト面でも遥かに効率が良かった。おまけに、脚部にコンバットタイヤを装備した高機動タイプのAWGSが普及するに連れてV‐MACSのコンセプトそのものを疑問視する見方もあったのである。

 

 実際、V‐MACSが従来型のAWGSに対して持ち得る明確なアドバンテージは、二つの形態を使い分けることによる行動範囲の拡大と、高速機動時の安定性である。とりわけて、高速機動時の安定性は重心がやや高いストゥーム・ティーガーやM19A1などと明確に分けられるものであり、この二機種と違って低い姿勢で走行するVV‐1キマイラはより速い速度で安定した走行性能を実現することが出来た。このことは安定した行進間射撃の実現にも寄与しており、より精密な射撃精度を期待することが出来た。

 もっとも、これとて大口径の砲を装備した従来型の装甲装輪車(センタウロやルーイカット)などと大差ないものであり、他に代行するものがないというほどのアドバンテージではなかった。このように、V‐MACSは一見する便利な万能兵器のように見えるが、実際には多機能故の中途半端に陥る可能性を秘めた、多分に扱いの難しい兵器でもあったのである。

 

 開発陣はこれらのことを念頭に綿密に改良計画を策定し、武装と装甲を強化しつつ、機動性も維持するという難題に取り組んだ。この中でもっとも難しかったのは武装と装甲の強化で、米軍の要求通りに105㎜滑腔砲を搭載して装甲強度を向上させると機動性の低下は免れなかった。

 これに対し、開発陣は変形機構と装甲素材を見直すことで重量の低減を図る一方、頭上砲塔を採用することで重量増加を抑えつつ105㎜滑腔砲を搭載することに成功。アバディーン兵器試験場で行われた性能試験の結果、あらゆる面でベースとなったVV‐1キマイラを超える性能を持っていることが確認された。

 

 こうして完成したキマイラの改良型はM1122スコーピオンとして制式化され、2022年9月から始まったオーストラリア大陸での戦いに投入されることとなった。戦場となったオーストラリア大陸中央部はV‐MACSの運用に向いた地勢ということもあり、投入されたスコーピオンはその性能を存分に発揮。オーストラリア縦断鉄道への襲撃を繰り返してAPC軍の進撃を停滞させることに成功するが、APC軍側の待ち伏せ作戦によって壊滅的被害を受け、多数の機体が撃破されることにもなった。

  これは同機を運用していた機動戦闘旅団の経験不足によるところも大きかったが、武装や装甲の弱さといったV‐MACSが持つ潜在的な問題点が浮かび上がった結果でもあった。 

 この戦いの結果を受けて米陸軍は戦後にV‐MACS計画の見直しを発表し、新規のV‐MACSの調達は停止された。この後も米陸軍では細々と研究が続けられたが、再度の内戦勃発などの影響もあって計画自体が中止に追い込まれることとなる。

 更にその数年後、先のトライアルで敗れたMDM社製がV‐MACSのコンセプトを受け継いだ新型機を発表して世界の軍事関係者の注目を集めることになるが、それはもう少し先の話である。

 

無人機の時代

 戦場において無人兵器を実用化しようという試み自体は第一次大戦前にすでに始まっており、1915年にアメリカの発明家が開発した「Electric Dog(電気犬)」という運搬用車両にその始祖を遡ることが出来る。

 しかし、無人兵器の先駆けとしてより有名なのは第二次大戦中にドイツ軍が開発した「ゴリアテ」と、日本軍が開発した「い号」だろう。全長1.5m、全幅0.8m、履帯で動く有線式の小型車両に100kgの爆弾を積んだゴリアテは、操縦士が有線ケーブルで敵陣まで接近させた後に自爆する一種の特攻兵器であった。一方のい号はゴリアテによく似た車体と操縦方式を採用しながら、四つの車両と機器からなるより複雑な構成を持ち、所定のポイントに爆弾を設置した後に退避するタイプの兵器であった。

 これら初期の無人兵器は運用上のトラブルが多く、大した戦果は残せなかったものの、後に続く無人兵器の紛れもない始祖であった。後年になると技術の発達もあってAIによる高度な自立制御が可能となり、無人兵器は戦場に欠かせない存在になる。

 特に無人兵器の発展が著しかったのは航空機の分野である。陸上に比べてこれといった障害物のない空は、操縦士が遠隔操作で制御する無人機や自律型AIを搭載したドローンにとって格好の戦場であり、有人制御の航空機では不可能な長時間の作戦行動や高速機動を可能とする一方、兵士の命を危険に晒すリスクを0にすることで軍事介入の敷居を大幅に下げることともなった。

 

 一方、陸上における無人機開発の試みは空における場合ほどドラスティックなものとならなかった。その最大の理由は戦場の地形にあり、多岐に渡る起伏や高低差、或いは泥濘や雪原といった諸条件を備えた地形を踏破しつつ、同時に戦闘も行う複雑な行動をは自律型AIで制御させるのには限界があったのである。

 このため、近年に至るまで陸上における自律型の無人兵器は履帯式の小型走行車両に武器を搭載した移動砲台のようなシンプルなものが一般的であったが、AI技術の発展とAWGSの登場がこの状況を変えることになる。

 

 脚部歩行の無人兵器というコンセプト自体はAWGSの登場以前から試みられていたものであり、特段珍しいものではなかった。そのため、AWGSを無人化しようという試み自体もその登場初期からアメリカをはじめとする各国で研究されており、実用化されるのは時間の問題であった。

 しかし、それらの国々の中で最も早い段階で実用化に成功したのがイスラエルであったのは決して偶然ではない。イスラエルは人口600万の小国が抱える絶対的兵士の不足を補うため、AWGSの登場以前から無人機の導入を積極的に進めており、無人機開発では他国にかなり先行していたのである。

 実際、イスラエルの開発したピッドヴァイパーは一応AWGSに分類されているものの、どちらかと言えば対人用としての性格が強い兵器である。武装も機銃に限られており、従来型のAWGSに対抗する力はない。もっとも、その車体にはゴリアテ同様に強力な爆弾を搭載しているため、敵の近傍で自爆することで損害を与える特攻兵器としての性格も受け継いでおり、ある意味で言えば直系の子孫と言っても差し支えないだろう。

 もっとも、その実用性はゴリアテの比ではなく、炎熱下の砂漠でも壊れない自律型AIによって制御された車体には砂に潜って行動する能力が付与されており、姿を隠して敵を待伏せたり、砂の中を移動することで神出鬼没の行動を可能としたりと、運用の自由度が非常に高いのが大きな特徴である。

 

 このピッドヴァイパーは兵士の不足に悩むイスラエル軍で積極的に使用され、第五次中東戦争でも大いに活躍することとなった。また、イスラエルの友好国である南アフリカ・OAUをはじめとする各国でも採用され、2017年のスエズ侵攻、2021年の中東侵攻でも大々的に使用され、無人兵器の有効性を強く印象付けることとなった。

 中東の戦いで南アフリカ・OAU軍の装備するピッドヴァイパーに散々苦しめられた中国は、後に鹵獲したピッドヴァイパーをデッドコピーして中国初の無人小型AWGSである「土竜」を急ピッチで開発。2022年3月頃までに量産体制を整え、9月に始まったオーストラリアの戦いにおいて兵力の不足を補うために大量投入された。

 

 一方、イスラエルと並ぶ無人機先進国のアメリカでもAWGS無人化の試みは早くから始まっており、2008年に行われた米陸軍のAWGSプロジェクトにその端緒を見ることが出来る。

 このAWGSプロジェクトの多脚型のトライアルにはGD社製のランドクラブ以外にも数社の試作機が参加しており、中でもランドクラブと並んで最後まで有力候補と目されていたのがキャデラック・ゲージ社製のホワイトムースであった。トライアルの結果、ホワイトムースは惜しくもランドクラブに敗れたものの、キャデラック・ゲージ社で改良が続けられ、後に無人機のテストベッドとして脚光を浴びることになるスケアクロウの母体となった。

 キャデラック・ゲージ社の開発チームは早くから無人型AWGSの台頭を予測し、自律型AIで制御される無人機の開発を進めていた。後に米陸軍内部でもAWGSの無人化が検討され始めると、キャデラック・ゲージ社は逸早く試作機を提供。この機体に興味を持った軍は将来的なAWGSの完全無人化を前提とした研究用のテストベッドとして採用し、後にM4スケアクロウとして制式化した。

 当初は乗員が登場して操縦する機体として開発されたため、機体そのものはピッドヴァイパーや土竜より大柄なものの、従来型のAWGSとも十分に渡り合えるだけの武装と装甲を運用出来るのが大きな強みである。

 

 また、無人機ではないものの、従来機にもAIを取り入れてパイロットの負担を軽減しようとする試みも積極的に行われている。その特性上、搭乗できる乗員の数が限定されがちなAWGSには元々こうした機能や工夫が施される傾向はあったものの、それを推し進めて更に高度なAIやVR機能まで搭載した高度な電子化が進んでいるのが最近のAWGS開発の特徴と言えるだろう。

 その筆頭はアメリカが開発したVW-2で、ステルス戦闘機並みの高価な機体であることもあり、搭乗員の代わりに照準や機体の制御を行う機能が全面的に採用されている。

 また、VW‐2に遅れること半年後に登場した23式装甲歩行戦闘車(HIGH‐MACSV)では更にこの傾向が強められ、VRやARといった最先端技術の導入と高度なAIによる操縦支援によってパイロットの負担を軽くするだけでなく、戦場の状況を把握する能力そのものを拡張する試みも行われた。

 将来的に全ての兵器が無人化し、完全な自律制御型のAIによって戦争が行われる日もそう遠くはないだろう。しかし、人類が戦争を過去の遺物とするにはまだ早過ぎる。戦争が紛れもない人類の営為の一つである以上、戦争はこれからもその形を変えながら起こり続けに違いない。そしてその戦いを遂行するための兵器もまた、進化し続ける。

 

 

 

機体解説

 

16式装甲歩行戦闘車改(マグドネル・ダグラス・三菱/防衛庁技術研究本部)

・日本が戦後に開発した第二世代型AWGSである16式の改良型。戦後になって続々と出揃った各国の第二世代型AWGS(特にドイツのヤークトパンターⅢ)に対抗するため性能の強化を図ったものだが、オリジナルの16式がもともと汎用性に優れる設計であったことや、過度の重量増加は戦略輸送性の悪化に繋がることから改良は極めて限定的なものにとどめられ、部分的な形状変更や電装品の交換などのマイナーチェンジに終始した。

 もっとも、これらの改良によって従来の16式よりも空中機動性が15%ほど向上しており、仮想敵とされたヤークトパンターⅢとの性能差も埋まっている。しかし、折からの深刻な財政難もあって計画はすぐに中止され、実際に改良された機体は少数に止まった。

 

23式装甲歩行戦闘車(マグドネル・ダグラス・三菱)

・日本が開発した第二世代型AWGSで、正式名称はHIGH‐MACSV。戦後になって続々と登場する各国の新型第二世代型AWGSに対抗しつつ、HIGH‐MACSシリーズの新たなスタンダードとなるべく様々な新機能を盛り込んだ、多分に実験的性格の強い機体となっている。

 最大の特徴はAIやVR機能といった最先端技術の導入で、開発費の半分以上を占めるとも言われる電子機器を搭載することで大幅なパイロットの負担軽減を図っている他、16式からFCSを大幅に強化。射撃の精度を向上させることで、いかなる状況下でもアウトレンジからの先制攻撃を可能とする能力を付与している。また、武装は12式や16式と同等のものが扱えるよう設計されており、互換性を保つことで後方部隊の負担軽減を図っている。

 現在の完成度はまだ低いものの、将来的な発展の余地を残しているため、その潜在的な性能はアメリカのVW-2をも凌ぐとされる。

 

土竜(中国北方工業公司

・中国がイスラエル製のピットヴァイパーをデッドコピーして開発した無人機。オリジナル同様に自律型AIで機体を制御するが、技術の遅れから性能不足が目立つ。武装は対人用機銃のみとなっているが、車体に搭載された爆弾ごと自爆することで敵に損害を与えることも出来る。

 オリジナルより性能は劣るものの、コストの低さからパキスタンや東南アジア諸国などでも採用の動きが広がっている。

 

ディンゴ(ビィッカース/UDLP/ペリーエンジニアリング)

・オーストラリア陸軍向けに改修されたM16の改良型。既存のA1型に増加装甲を追加して防御力を高めている他、エンジンの出力を強化するなど、オーストラリア大陸での運用を前提に様々な改良が施されている。 

 この機体はオーストラリア陸軍機甲連隊の偵察中隊などに配備された。

 

BMX‐18(シャバリン設計局)

・ロシアが戦後に開発した四脚型AWGSで、開発はBMX歩行戦闘車で実績のあるシャバリン設計局が担当した。BMX同様に空挺部隊の火力支援用として開発された機体で、全備重量は25tと多脚型の割に非常に軽量である。BMX同様にIl‐76輸送機やAn‐122アントノフでの空輸が可能で、降下時にはパラシュートや逆噴射ロケットを装備する。空挺降下後は多脚型特有の高い不整地踏破性能を駆使し、いかなる地形でも歩兵部隊に追随して火力支援を行うことが可能である。

 主砲には100㎜滑腔砲、副武装にはKEMを装備しており、歩兵の直協支援から対戦車戦闘まで幅広い任務に適応出来る。軽量化のために装甲にはアルミ合金を採用しているが、砲塔と車体前部にリアクティブ・アーマーを装備することで生存性の向上を図っている。

 この機体は本国のロシア空挺軍で採用され、空挺師団の砲兵連隊などに配備されている。

 

VW‐2(マグドネル・ダグラス・三菱/DARPA

 長らく後継機計画の持ち上がらなかったVW‐1の正統な後継機で、正式名称はHIGH‐MACSⅣ。前大戦で鹵獲した日本の12式改に衝撃を受けたアメリカが密かに開発を進めていたもので、12式改同様に重装化を推し進めた機体となっている。

 そのフォルムも12式改に良く似ており、VW‐1に比べて胸部や脚部、滑空翼が大型化しているが、軽量な新素材を使うことで重量増加を抑えつつ12式改以上の防御力を実現している。装甲の形状もステルス性を考慮したより電波を反射しにくいものに変更されており、その装甲表面にコーティングされた電波吸収材と合わさることで高いステルス性を獲得するに至った。

 エンジンも12式改の採用しているF400系のジェット・エンジンに改良を施したより高性能なエンジンに換装されており、高い空中機動性を確保する一方、素早い加速を可能とすることで地上での機動力も大幅に向上することとなった。

 また、最新型のFCSによって16式並みに多彩な武装を扱える他、射撃能力も30%ほど向上しているなど、カタログスペックではあらゆる面で12式改を上回る性能を誇っている。12式改以上の高コストと燃費の悪さが玉に瑕だが、HIGH‐MACSシリーズの中でも最強の機体の一つであると考えられている。

 

アリゲーター(キャデラック・ゲージ)

アメリカが開発した四脚型AWGS。最大の特徴はAWGSとしては異例の非常に低い姿勢で、ワニのように腹這いに近い形で歩行するため、AWGS特有の弱点である車高の高さが抑えられている。また、追加装備なしで水上を浮航することも出来るため、単独で河川を渡河出来る能力を持っている。

 装甲はアルミ合金製で、固定武装も30㎜機関砲のみとやや軽装だが、状況に応じてATMなどを装備することも可能。その運用はまだ試験段階で、アメリ海兵隊で実戦テストが行われている。

 

M1122スコーピオン(GD/GM

アメリカが開発した第三世代型AWGSで、史上初のV‐MACSであるVV‐1キマイラをベースに問題点をフラッシュアップし、一から設計を見直した新型機。特に重量効率の問題からやや劣っていた武装と装甲の改善に重点を置いて改良が施されており、より洗練された可変機構と剛性に優れる新素材の採用でそれを実現している。

 主武装は車体後部に設置された105㎜滑腔砲で、無人式の頭上砲塔を採用しているため、射撃時に機首を回転させる必要がない。また、副武装として20㎜機関砲と短距離型のATMも装備している。

 この機体はVV‐1キマイラと共に米陸軍内部に新設された機動戦闘旅団の対戦車連隊などに配備された。

 

M4スケアクロウ(キャデラック・ゲージ)

アメリカが戦後に開発した四脚型AWGS。イスラエル製のビットヴァイパーと同じ無人機で、自律型AIによって制御されている。ベースとなった機体は2007年に行われた米軍主導のAWGS計画に参加した機体で、トライアルでは惜しくもGD社製のM15ランドクラブに敗れたものの、そのコンセプトの優秀さから地道な改良が続けられ、戦後になって普及しつつあった無人型AWGSのテストショットとして陽の目を浴びた。

 武装は主砲に30㎜二連装機関砲、副武装にKEMを装備している。その信頼性の高い歩行システムと簡易な構造から、米陸軍では人口が減少した北部諸州の防衛部隊を中心に配備を進めている。

 

 

 

各国のAWGS配備状況(2020年~2023年)

・仮想戦記中において各国が装備するAWGSの種類やそれぞれの国の国情について書いています。原作のAWGSの採用国などについては基本的に原作の設定に沿っていますが、仮想戦記オリジナルの設定も多分に含まれていますので注意して下さい。

 

 

 

日本

・史上初の第二世代型AWGSとなったHIGH‐MACSシリーズを中心に多数のAWGSを保有しており、AWGS開発をリードしているAWGS先進国。戦後も多数の新型機や改良型を戦場に投入しており、その技術力の高さが際立つ。

 特にHIGH‐MACSシリーズを集中的に装備・運用する日本外人部隊は世界の中でもトップクラスの戦闘力を持つ精鋭部隊として有名で、前大戦における驚異的戦果と共に各国の注目を集めている。

 

9式装甲歩行戦闘車、9式装甲歩行戦闘車改

10式装甲歩行戦闘車、18式歩行通信指揮車

12式装甲歩行戦闘車、12式装甲歩行戦闘車改

16式装甲歩行戦闘車、16式装甲歩行戦闘車改、23式装甲歩行戦闘車

 

中国

・技術の遅れから他国の兵器のデッドコピー品が多いが、保有するAWGSの種類は豊富である。性能も劣化が目立つが、製造コストが低いこともあって戦後は中国の友好国やアフリカ・中南米発展途上国で多く採用されている。

 

13式装甲歩行車、14式装甲歩行車、

ティーガー歩行戦闘車、コラート戦闘歩行車、土竜無人機)

 

モンゴル

・前大戦ではAPCに属しながらPEUに寝返ったモンゴル。戦後もGEUに加盟していたが、政治的・経済的には中国・APC諸国との繋がりが深い。2021年に起こった中露の軍事衝突では国土が戦場となり、大きな被害を受けることになる。

 モンゴル軍の装備は大半が旧ソ連製や中国製の旧式兵器で占められているが、中国から供与された13式装甲歩行車と14式装甲歩行車も少数配備されている。

 

13式装甲歩行車、14式装甲歩行車

 

タイ

・日本や中国の陰に隠れがちだが、アジアでも有数のAWGS開発国の一つであるタイ。ジャングルの木々を薙ぎ倒しながら進むコラートをはじめ、猿のような独特の歩行システムを持つ二脚型と多脚型の中間的存在であるハヌマンなど、ユニークなAWGSを次々に開発している。

 

コラート戦闘歩行車、ハヌマン偵察歩行車、土竜

 

シンガポール

・前大戦末期にAPCから離脱して戦火を免れたシンガポール。戦後は再結成されたAPCに加盟したものの、他の東南アジア諸国同様に戦意は低い。保有するAWGSは東南アジア諸国が標準装備するコラートとハヌマンである。

 

コラート戦闘歩行車、ハヌマン偵察歩行車、土竜

 

ベトナム

・中国と激しく対立し、APC陣営内部でも孤立しているべトナム。大戦終盤にはタイ製のコラートを装備して中国南部に侵攻するなど、不穏な動きが目立つ。ベトナムがそれらのAWGSをどこから入手したかは謎とされているが、戦後もコラートやハヌマンといったタイ製AWGSを装備していることが確認されている。

 

コラート戦闘歩行車、ハヌマン偵察歩行車

13式装甲歩行車(鹵獲した機体を使用)

 

オーストラリア

・前大戦では逸早くAPCからの離脱を宣言し、懲罰軍の侵攻を受けたオーストラリア。そんな経緯もあり、戦後にAPCが再結成された後もベトナム同様に距離を置き、局外中立を宣言していた。他のAPC諸国との距離を示すように、その装備の大半がアメリカ製兵器で占められているが、数自体は少ない。

 

M15、M15A1シークラブ(沿岸防衛用に配備)

ディンゴアメリカから供与されたM16に独自の改修を加えたタイプ)

AUTRUCHE、エレファント

 

インド

・前大戦に参加しなかったために国力を温存したインドは、戦後、相対的にアジアでの発言権を強め、次第に中国との対決姿勢を強めていく。関係の深いロシアや南アフリカから多彩なAWGSを輸入して急速に軍拡を推し進めるインド軍は、アジアでも有数の規模を誇る最強の軍隊の一つである。

 

リットリオ(北部山岳師団に配備)

BMX歩行戦闘車、BMX‐30高射機関砲(空挺師団に配備)

コラート戦闘歩行車、エレファント

 

バングラデシュ

・歴史的にインドとの関係が深いバングラデシュだが、その装備の大半は中国製兵器で占められている。AWGSを自主製造する技術力もないが、戦後に中国から13式の供与を受けて前線部隊への配備を進めている。

 

13式装甲歩行車(中国から供与)

 

パキスタン

カシミール地方の領有権を巡って宿敵であるインドと争うパキスタン。AWGSの導入はインド同様に遅れていたが、AWGSの有効性が示された戦後になるとインドに対抗して関係の深い中国から供与された13式や14式の配備を進めるなど、積極的な動きが目立つ。

 もっとも、その運用技術はまだまだ未熟であり、対インド戦でも序盤早々にインド軍と南アフリカ空挺コマンドの攻撃を受けて撃退されている。

 

13式装甲歩行車(中国から供与された機体に独自の改修を施して使用)

14式装甲歩行車

 

ドイツ

・日米に続いて第二世代型AWGSを実用化したAWGS先進国ドイツ。保有するAWGSはいずれも完成度が高く、戦後は重い賠償金支払いのために輸出にも力を入れている。特にヤークトパンターⅢは第二世代型AWGSとしては異次元の空中機動性を持つ機体で、各国の開発者に衝撃を与えた。

 

パンター歩行戦闘車、フォルシルム・パンター、ストゥーム・パンター

ティーガー歩行戦闘車、ストゥーム・ティーガー

ヤークトパンター、フォルシルム・ヤークトパンター、ヤークトパンター

ヤークトパンターⅢ、フォルクス・パンター

 

スウェーデン

・その国情に合わせたユニークな兵器開発で知られるスウェーデンは、AWGS開発でも斬新な兵器を多数開発している。戦後に登場した水陸両用型のフロッシュはその象徴的存在で、高い完成度から各国で採用されている名機である。2021年に起こったAPCのシベリア侵攻ではPEU北欧合同軍の主力として前線に送られ、APC軍を追い詰めた。

 

パンター歩行戦闘車(スウェーデン独自の改修が施されている)

フロッシュ、バルフンド偵察歩行車

バルフンド・アインハンダー(バルフンドの工兵隊仕様)

 

デンマーク

・北欧の小国デンマーク。PEU軍の共通兵器構想に基づき、ドイツ製のパンターティーガーを採用し、部隊に配備している。前大戦の末期には他の北欧・ベネルスク諸国と共にPEUから離脱したが、戦後は再結成されたPEUに加盟し、北欧合同軍の一員としてシベリアに部隊を送った。

 

パンター歩行戦闘車、ティーガー歩行戦闘車、バルフンド偵察歩行車

 

ベルギー

・優れた兵器メーカーを国内に抱えるベルギーだが、AWGSの製造技術は保持していない。戦前はPEU軍の装備統一プログラムに従ってドイツ製のパンターティーガーを採用し、戦後になるとオーストリア製のフサリア戦闘歩行車の配備を進めている。

 

パンター歩行戦闘車、ティーガー歩行戦闘車、フサリア戦闘歩行車

 

オランダ

・ベネルスク諸国の一角を占めるオランダは、PEU共通二脚歩行マシントライアルで見事勝利したドイツ製パンターティーガーを逸早く採用。大戦末期には他の北欧・ベネルスク諸国と共にPEUを離脱して戦火を免れたことから、多数の機体が温存されている。

 

パンター歩行戦闘車、ティーガー歩行戦闘車、バルフンド偵察歩行車

 

オーストリア

・国内に優れた兵器メーカーを抱えるオーストリアは戦後になってAWGSの自主開発に乗り出し、スペインとの共同開発の頓挫などを経た後にフサリア戦闘歩行車を開発。その高度にモジュール化された車体構成や、AWGSとしては比較的小振りでコストも低いことから途上国などで採用する国が多くあり、成功を収めている。

 

パンター歩行戦闘車、ティーガー歩行戦闘車、フサリア戦闘歩行車

 

スイス

永世中立を国是とするスイスは大戦中も戦後もその国是を貫き、GEUやPEUなどの地域機構には一切参加していないが、国土の大半が山岳部であることもあり、早くからAWGSという新ジャンルの兵器に着目していた。バルフンドはそんなスイスが戦後に開発した四脚型AWGSで、ティーガー以上の高い不整地踏破性能によって北欧・ベネルスク諸国でも採用された傑作機である。

 

バルフンド歩行偵察車、バルフンド・アインハンダー

 

イタリア

・ドイツと並ぶヨーロッパのAWGS先進国イタリア。戦後は重い賠償金支払いのために兵器の輸出に力を入れ、不整地踏破性能ではティーガー以上とも言われたリットリオや第1.5世代とも言えるユニークな特徴を備えたサティロス、平野での機動性を重視したベリサリエリなど、多彩なAWGSを世界に送り出している。

 

リットリオ(アルプスの山岳師団に配備)、ベリサリエリ、サティロス

 

スペイン

・前大戦ではPEUに所属したスペイン。独自のAWGS製造技術はないものの、戦後はオーストリアと共同でAWGS開発に乗り出すなど、AWGSの導入に積極的な動きが目立つ。もっとも、オーストリアとの共同計画は両国の要求性能の違いなどから立ち消えとなり、ドイツ製のパンターティーガーなどを採用して配備しているのが現状である。この計画の際に試作された機体はオーストリア製フサリア戦闘歩行車のベースとなり、後にスペインも少数の車両を導入した。

 

パンター歩行戦闘車、ティーガー歩行戦闘車、フサリア戦闘歩行車

 

ギリシャ

北キプロス問題を巡ってトルコと紛争を抱えるギリシャはAWGSの導入で遅れを取っていたが、2017年のトルコ軍による侵攻を機に見直され、ドイツ製のパンターやフランス製のAUTRUCHEを採用。少数ながら、前線に配備されている。

 

パンター歩行戦闘車、AUTRUCHE

 

フランス

・ドイツと共にPEUの中心的存在を成したフランス。輸出市場を狙った軽量型のAUTRUCHEは一定の成功を収める一方、戦後の混乱から新型機の開発は難航しており、AUTRUCHEの改良型であるSUPERAUTRUCHEを投入したのみで終わっている。イタリアやイギリスと第二世代型AWGSを共同開発するという噂もあったが、現在のところ続報は聞こえてこない。

 

AUTRUCHE、SUPERAUTRUCHE

 

イギリス

・前大戦終盤にPEUから離脱し、アメリカと同盟を結んで勝ち馬に乗ったイギリス。アメリカと並んで旧PEU諸国からの敵意を一身に受けているが、戦後は再結成されたPEUに参加して中東に空母機動部隊を派遣するなど、国際秩序の安定に一定の役割を果たしている。

 アメリカと共に史上初のAWGS開発に携わったこともあり、兵器開発の分野でも世界をリードしている。特にハイランダーはその典型で、ガスタービン・エンジンによる限定的な三次元機動を可能としたその機体はイタリアのサティロスと共にLOW‐MACSという新カテゴリを形成している。

 また、戦後は同盟を組むアメリカ製兵器の導入にも積極的で、海兵隊用のM15A1や空中機動部隊用のVW‐1といった機種を前線部隊に配備している。

 

バリアント支援戦闘車両、バリアントMkⅡ、M15A1シークラブ

M16、ハイランダー二脚歩行戦闘車、エアランダー二脚歩行戦闘車

VW-1

 

ロシア共和国

アメリカと並んで早くからAWGS開発に乗り出していたロシア。戦後になると国内の混乱から新型機を開発する余力がなくなり、ドイツ製のストゥーム・ティーガーやイタリア製のリットリオを採用するなど、自国製の兵器で固めて来たかつてのロシアからは想像もつかないような編成になっている。

 もっとも、戦前から計画されていた新型機の開発は細々と続けられ、BMX‐19やロシア初の第二世代型AWGSであるヴァルチャーが完成にこぎつけたものの、いずれも開発費の高騰と財政難から量産は見送られ、少数が配備されるに止まった。

 

BMX歩行戦闘車、BMX‐30高射機関砲

ストゥーム・ティーガー、リットリオ

BMX‐19歩行戦闘車、BMX‐18歩行戦闘車、IMR‐X歩行工兵車

フォルクス・パンター、Ka‐75ヴァルチャー(ヴァンピールとも?)

 

ロシア連邦及びロシア連邦残党

・前大戦終結直後にロシア共産党の残党が軍のバックアップを受けて成立させた国家で、放射能汚染の残るモスクワを首都としてロシア共和国との内戦を戦った。ロシア連邦自体は短期間の内に鎮圧されたものの、その残党はその後も活動を続け、2021年には中国・APCの支援を受けて再び決起。シベリアに配備されていた移動式の核ミサイルを強奪してAPC軍占領下のウラジヲストクに投下した。

 

BMX歩行戦闘車、BMX‐30高射機関砲

BMX‐19歩行戦闘車、BMX‐18歩行戦闘車、IMR‐X歩行工兵車

 

ポーランド

・前大戦ではPEUに属し、ウクライナ戦線やシベリアに部隊を送ったポーランド。ドイツ製の兵器を中心に良く整備された軍事力を持っている。

 

パンター歩行戦闘車、ティーガー歩行戦闘車

 

ウクライナ

・前大戦ではロシア・PEUからの侵攻を受けて国土が戦場となったウクライナ。戦後もロシアからの侵攻は続き、アメリカ内戦勃発と共にドニエプル川以東の領土を併合される事態となる。後にロシア・PEUと講和して領土を回復したものの、現在も緊張が続いている。AWGSの導入はほとんど進んでいない。

 

グルジア

・山がちな国土に合わせて不整地踏破性に優れた多脚型AWGSを多く保有しているグルジア。隣国であるロシアの軍事的脅威に対抗するべく、トルコと同盟を結んで対抗している。

 

リットリオ、バルフンド偵察歩行車

 

トルコ

・前大戦に参加しなかったために国力を温存したトルコは、戦後になると地域大国として相対的にその発言を強め、ドイツをはじめとした旧PEU諸国のAWGSを多数導入して軍拡を推し進めた。2017年のギリシャ侵攻こそ失敗に終わったものの、その国威は衰えておらず、黒海を挟んで南下政策を推し進めるロシアと激しく対立した。後に再結成されたPEUに加盟したものの、ロシアとの対立の構図に変わりはない。

 

ストゥーム・パンター、ヤークトパンター

SUPERAUTRUCHE、フロッシュ、ピッドヴァイパー

 

イスラエル

・AWGSを開発するだけの技術力はあったものの、伝統的に戦車戦力を重視する軍事ドクトリンから各国の後塵を拝したイスラエル。しかし、戦後になって無人機のピッドヴァイパーを開発したのを皮切りに続々と国産のAWGSを開発・製造し、一気にAWGS大国の仲間入りを果たした。これらの機体は第五次中東戦争で中東諸国軍の攻勢を跳ね除ける原動力となり、見事祖国防衛の大任を果たすこととなる。

 

ジェリコ(M15ランドクラブの改良型)、ダヴィデ(M16の改良型)

サウル歩行戦闘車、サムソン歩行戦闘車

ミュルメクス歩行戦闘車(ロシア製BMX‐19の改造機)

メギド歩行戦闘車、メギドMkⅡ

ネフシュタン(南アフリカ製ボスファルクを改良した機体)

ピッドヴァイパー

 

イスラエル軍はここに挙げた機体以外にも、第五次中東戦争でアラブ側から大量に鹵獲したBMXやバリアントなどの第一世代型AWGSを修理・改造して運用しているようである。

 

サウジアラビア

・中東でも有数の産油国であるサウジアラビア。オイル・マネーに物を言わせて最新型のAWGSを多数購入しており、フランス製のAUTRUCHEをはじめとして多数のAWGSを戦前から配備していた。戦後になると保有するAUTRUCHEを全てSUPERAUTRUCHEに改良する一方、VW‐1をはじめとする第二世代型AWGSの導入も進めている。これらの機体は2021年の対南アフリカ・OAU戦に投入されるも、パイロットの技量不足によりさしたる戦果を挙げられずに終わった。

 

AUTRUCHE、SUPERAUTRUCHE、VW-1

 

UAE

・イギリス製とフランス製のAWGSを装備。第五次中東戦争では湾岸諸国連合軍として南アフリカ・OAU軍と交戦するも、敵の第二世代型AWGSであるボスファルクに対抗出来ずに多くの機体が撃破された。

 

AUTRUCHE、SUPERAUTRUCHE、バリアント支援戦闘車両、バリアントMkⅡ

IMR‐X歩行工兵車

 

シリア

・中東の軍事強国シリア。戦後は関係の深いロシアから多くのAWGSを導入して装備の近代化を進め、第五次中東戦争では中東諸国軍の主力としてイスラエルを苦しめた。

 

BMX歩行戦闘車、BMX‐30歩行戦闘車、BMX‐19歩行戦闘車

 

ヨルダン

・イギリスとの関係が深いこともあり、戦後は多くのイギリス製AWGSを導入したヨルダン。これらの機体は第五次中東戦争序盤においてイスラエル軍を大いに苦しめることとなった。

 

バリアント支援戦闘車両、バリアントMkⅡ、ハイランダー二脚歩行戦闘車

 

イラン

・PEUとの関係を深めて軍拡を進めるイラクに対抗し、関係の深い中国・APCから大量の武器を供与されたイラン。13式やハヌマンといったAPC諸国のAWGSを多く保有している他、ブラジル製の水陸両用AWGSラーナを配備しているのも大きな特徴の一つである。

 

13式装甲歩行車(中国から供与)、ハヌマン偵察歩行車、ラーナ

 

イラク

・大戦前にPEUから多くの支援を受けたイラクは、ロシア製のBMXシリーズを中心に複数のAWGSを前線部隊に配備している。旧ソ連式の野戦陣地の構築に優れていることもあり、IMR‐X歩行工兵車などの工兵用車両を多く保有してもいる。

 

BMX歩行戦闘車、BMX‐30高射機関砲、IMR‐X歩行工兵車

 

南アフリカ

・アフリカでも随一の工業力を誇り、その歴史的経緯から多数の国産兵器を自主開発してきた南アフリカ。それはAWGSの分野でも同様であり、戦前からイギリスの旧王立造兵廠の協力を得て重装型AWGSであるエレファントを採用するなど、逸早くAWGSの開発に先鞭をつけていた。

 戦後になるとエレファントに加えてサティロスやバリアント、ピッドヴァイパーなど多彩なAWGSを採用して前線部隊に配備する一方、空軍内部に独自の空中機動部隊を創設して第二世代型AWGSの自主開発に乗り出し、日米独露に次ぐ五番目の第二世代型AWGS開発国となった。

 

エレファント、サティロス、バリアント支援戦闘車、ピッドヴァイパー

フォルシルム・パンターSAV、スーパー・パンター

フォルクス・パンターSAV、ボスファルク、ボスファルクⅡ

 

エジプト

・中東の軍事大国であるエジプトだが、前大戦とその後のOAUによる中東侵攻でその国力は大幅に低下している。国土の大半が砂漠であることもあり、戦車戦力をより重視しているが、関係の深い中国から供与された13式装甲歩行車と14式装甲歩行車を前線に配備している。

 

13式装甲歩行車、14式装甲歩行車、IMR‐X歩行工兵車

 

リビア

・前大戦時にタッグを組んだPEU諸国から多くの兵器を提供されており、兵器の質では隣国のエジプトと対抗出来るレベルを維持している。戦後は旧宗主国であるイタリアからべリサエリエリなどの新型AWGSを輸入している。

 

ベリサリエリ、エレファント(?)*1

 

アルジェリア

・中東の隠れた軍事大国であるアルジェリアは、旧宗主国であるフランスや関係の深いロシアから多くの兵器を購入して装備の近代化を図っている。

 

AUTRUCHE、BMX歩行戦闘車、BMX‐30高射機関砲

ピッドヴァイパー

 

エチオピア

・山がちな国土のため、アフリカ諸国の中では比較的早くからAWGSの導入を進めていたエチオピア。峻険なエチオピア高原での運用を考慮し、戦後は特に不整地踏破性能の高い多脚型の配備を進めている。

 

AUTRUCHE、リットリオ、ベリサエリエリ

 

ケニア

キリマンジャロなどの高山地帯を抱えるケニア。イタリア製ベリサリエリなど、多脚型AWGSの導入を進めている。

 

ベリサリエリ

 

ガボン

・アフリカ諸国はまだ発展途上の国が多いこともあり、AWGSを自主開発する国は少ないが、少数のAWGSを配備している国は多い。オーストリア製のフサリア戦闘歩行車は車体の構成が高度にモジュール化されていることもあり、発展途上国でも多く採用されているAWGSの一つである。

 

フサリア戦闘歩行車

 

アメリカ(2008~2020、2021~2023)

・史上初めてAWGSを開発した国だけあって、二脚型から多脚型まで多彩な機種が揃う。内戦の勃発によって一時は多くのAWGS開発計画が中止に追い込まれたものの、北部連邦による合衆国統一後の2021年12月以降は続々と新型機を戦場に投入し続けた。2023年3月に再び勃発した北部と南部の内戦(第二次南北戦争)により、分裂状態が続いている。

 

M15ランドクラブ、M15A1シークラブ、M19ブルータルクラブ

M19ブルータルクラブⅡ、M44スケアクロウ

VV‐1キマイラ、M1122スコーピオ

M16二脚歩行戦闘車、M16A1、M14ハイランダー、M14エアランダー

VW‐1、VW‐2

 

アメリカ北部連邦(2023年の内戦再発時)

アメリカ内戦勃発と共に北部諸州の部隊を統合して編制されたアメリカ北部連邦軍。南部と西部に比べて強力な軍事力を持ち、内戦を優位に進めた。戦後は内戦の影響で中止されていた多数の新型AWGSを戦場に投入するなど、積極的なAWGSの運用が目立った。

 

M15ランドクラブ、M15A1シークラブ、M19ブルータルクラブ

M19ブルータルクラブⅡ、M4スケアクロウ

VV‐1キマイラ、M1122スコーピオ

M16二脚歩行戦闘車、M16A1

VW‐1、VW‐2

 

アメリカ南部盟邦(2020年の内戦勃発時、2023年の内戦再発時)

アメリカ内戦勃発と共に南部諸州の部隊を統合して編成された南部盟邦軍。一度は北部連邦軍との戦いに敗れてその支配下に入ったものの、2023年2月に再結成され、ミシシッピー川を第一次防衛線として北部連邦軍と戦った。この戦いにはキャデラックゲージ社製の水陸両用AWGS、アリゲーターも投入され、一定の戦果を挙げた。

 

M16二脚歩行戦闘車、M16A1

M15ランドクラブ、M15A1シークラブ

M19ブルータルクラブ、M19A1ブルータルクラブⅡ、アリゲーター

VW‐1

 

アメリカ西部連邦(2020年の内戦勃発時)

アメリカ内戦勃発と共に西部諸州の部隊を統合して編制された西部連邦軍。多彩なAWGSを配備しているが、その軍事力は北部に対してやや見劣りするものだった。

 

M15ランドクラブ、M15A1シークラブ

M19ブルータルクラブ、M19ブルータルクラブⅡ

M16二脚歩行戦闘車、M16A1

VW‐1

 

カナダ

・広大な国土を持つカナダは地理的条件の似ている南アフリカやオーストラリアなどと同じく、単独で長距離を走破出来るエレファントを少数採用している。

 

M16A1、エレファント

 

メキシコ

・前大戦で鹵獲したフランス製AUTRUCHEなどを中心に軽量型のAWGSを複数配備している。

 

AUTRUCHE

 

キューバ

・前大戦でAFTA軍が大量に鹵獲した第一世代型AWGSを配備。

 

13式装甲歩行車、BMX‐30高射機関砲

 

ブラジル

・広大なアマゾンを国内に有するブラジル。熱帯のジャングルと河川が複雑に絡んだ地形を踏破するため、水陸両用の多脚型AWGSであるラーナを自主開発してアマゾン軍団の機械化騎兵旅団などに配備している。

 

リットリオ、ラーナ 

 

アルゼンチン

・独自のAWGS製造技術はないものの、前大戦で鹵獲したヨーロッパ諸国のAWGSなどを前線部隊に配備している。

 

パンター歩行戦闘車、フサリア戦闘歩行車、14式装甲歩行車

AUTRUCHE

 

 

 

 

 

脚注

*1:ここでは『Ⅱ』のアウジラに登場した機体をリビア軍のものとしてカウントしたが、イギリス軍所属の機体である可能性もある。