ガングリフォン・ムック(仮)

名作ゲーム、ガングリフォンシリーズについて考察するブログです。他のゲームも時々語ります。更新不定期。

ツイッターまとめ① センタウロはなぜ消えた?

 ツイッター上でのガングリフォン関係のツイートをまとめました。これらのツイートは考察記事の素案になったり、考察のヒントになったりしたもの、まだ良く分かっていない疑問や引っ掛かっている部分のヒントになりそうなものなどで、ざっくばらんに掲載しています。

 

 

 

 

ツイートまとめ

 

①ガングリ名物

 

 リアルなロボットや環境問題といった個々の要素を見るに、ガングリは何だかんだ言ってガンダムの正統な後継者だなと思う時がある。それは岡田さん自身がガンダムボードゲームを沢山手掛けてきた影響も勿論あるのだろうが、AWGSのデザインについても、「基本にガンダムがあるから、それより下のレベルじゃ納得出来ない」という発言もあるし、*1ガンダムを強く意識していることが分かる。「リアルな軍事シミュレーター」と形容されることも多いガングリだが、その根底に流れているのは極めて正統なロボットモノの血なのだと思う。

 ちなみに、あの崖下りは誰の発想か分からないが、この「トリプルドムからガンダムにハマッた」という言葉から岡田氏説が濃厚か。*2

 

②最強の敵

 

 

 前回のGGBの記事でも少し触れたが、初代のADATSはシリーズ最速の発射速度と最短の発射間隔、ハード性能の制約による短い視認距離が重なって非常に凶悪だった。一瞬でも気を抜けば余裕でスクラップにされてしまう恐怖は、連雲港という地名と共にプレイヤーの脳裏に深く刻まれることとなった。GGBではATMの性能が調整されて多少マイルドになったが、個人的には初代のあのハードで無慈悲なバランスも好きである。

 

③センタウロはなぜ消えた?

 

 

 

 この疑問についてはN氏が考察してくれていて、Ⅱになって敵のAWGSが軒並み高機動化したことを挙げた上で、「AWGSを強敵にしたかったからではないか」と指摘していたが、説得力のある説である。N氏自身も言及していたが、初代のAWGSは一部を除いて非常に低速で、むしろセンタウロやPT‐5といった高速な車両や前述のADATSといった現用兵器の方が余程恐ろしい存在として印象に残った。これを改善し、AWGSのテコ入れを図った結果として装甲装輪車がいなくなったというのは頷ける話である。

 実際、Ⅱでは自機も敵の挙動も重くなり、ゲーム全体のスピードダウンが図られていた。取り分けて戦車や装甲車はスピードが抑えられており、初代のPT‐5やセンタウロに匹敵するような高速車両もいない。その分、高速化したストゥームティーガーやストゥームパンター、M16A1などの存在感が出たわけである。

 と、ここでまた一つ疑問が浮かんだのだが、PhZ2000などの自走砲がⅡ以降出なくなったのはなぜだろう?またツイッターで呟いたら誰か教えてくれるかも知れない(オイ)。

 

④ルーイカットはどこにいるかって?

 

 

 ブレイズの兵器図鑑にしか登場しないルーイカット(他にT10と14式、ユーロファイター2000も登場しないようだ)。筆者にとって長年の謎で、出て来るならエジプト面だろうと何年もしつこく探し回っていたのだが見つからず、途方に暮れていたところを前述のツイートに合わせてやはりN氏が解明してくれた。N氏曰く、ルーイカットの対空バージョンであるZA‐35という対空自走砲がⅡのアウジラに登場しているのだが、その時のデータの名残であるらしい(そしてやっぱり出ないらしい)。

 ブレイズはステージが6つしかないなど、全体にリソースが不足したのではないかと思わせる部分もあるので(あのリプレイ性の高さを見るに、最初から6ステージで行くという判断があった可能性もあるが)、それが没になった理由なのかも知れない。もし制作期間やリソースに余裕があったら、敵兵器として登場していたのだろうか。個人的にはルーイカットも14式も出して欲しかった。

 

⑤V‐MACS

 

 

 

 

 みんな大嫌いV‐MACSだが、筆者は割と好き。コンプリートファイルのラフ画のデザインはまだこなれてない印象だが、発想そのものは良いかなと。ゲームとの相性も絶対に良さそうである(こういうこと言ってるから友達が減る)。ガングリでやるべきかはともかく、ゲームアーツ製の可変ロボ作品なんて期待しか湧かない、筈だった・・・・・・orz

 とは言え、コンプリートファイルのインタビュー中に出されたアイデアの内、通信対戦や協力プレイ、アナザーステージやパルテノン神殿での戦いなどは軒並み実現されたのに、なぜV‐MACSは実現されなかったのかというのは結構興味深いところである(エアーズロック作戦も実現されていないが)。

  前回の記事でも触れたが、ガングリがリアルな軍事シミュレーターを目指していたのか否かを読み解く鍵は、このV‐MACSにあるのかも知れないと思ったりもする。少なくとも、宮路さんは「アメリカ市場を考えると出したかった」とインタビュー中でも言っているので、かなり乗り気だったようだ。*3もう一人のディレクター、岡田さんがV‐MACSをどう考えていたのかが気になるところだが、宮路さんの言葉を見るに、実現しなかったのはデザイン上の問題を解決出来なかったからで、岡田さんが明確に反対した様子はない。繰り返しになるが、興味深いところである。

 

⑥関係ない

 

 

 仮にエアーズロックがステージ化されても、出てくる敵は限られそう。戦車とかあの上には上っていけなさそうだし。いや、AWGSだって登れるか怪しいもんだけど、仮に空挺降下したとしても降りる時どうするんだよと。あと、エアーズロックの上で戦う理由がイマイチ思い浮かばない。絵にはなるけど、戦略的な価値はなきに等しいし。でも、やっぱりオーストラリア懲罰戦はそれなりに構想されていたと考えるべきか。

 

ゲルググ

 

 

 ガングリの成立にはガンダムと、特に直近に公開されたパト2の影響が大きかったんじゃないかというのが筆者の見立て。取り分けて後者のカンボジアでのPKO部隊壊滅はもうガチ。これがオマージュなのかパロディなのかは微妙なラインだが、ちょっと捻りがない気もする。

 

⑧ガングリマスター

 

 岡田厚利氏の手掛けたボードゲーム「JABRO」を紹介する漫画家、万乗大智先生*4のツイートにコメント付きでリツイートしたもの。岡田氏がどこまでガングリに関わったのかは定かではないが、氏自身も一世を風靡したボードゲームデザイナーだっただけに、そのアイデアは設定に止まらず、ゲーム部分にも相当な影響を及ぼしていたと見て良いだろう。それは初代の跳弾システムや補給ヘリ、GGBの部位判定といった概念にも良く表れているように思う。

 ちなみに、万乗先生は初代発売当時に相当やりこんだらしく、アシスタントさん達に自らを「ガングリマスター」と呼ばせていたらしい。アシさん達も先生を呼ぶ時にさぞ困っただろうなぁ・・・・・・。

 

アシさん「・・・・・・ガ、ガングリマスター!背景チェックをお願いします!」

ガングリマスター「君のホワイトは飾りかね?一から描き直したまえ!」

 

⑨ガングリ将棋

 

 

 張林雹*5はフレット・ヘエール中佐*6に勝ち、地雷は全てのAWGSに勝つ(しょうもないツイートでごめんなさい)。

 

⑩地獄の業火

 

 

 

「フューリー」*7のような戦車映画観てるとガングリをやりたくなる。Ⅱのダブルシーターは中々良いアイデアだったが、GGBでは削除された。戦闘が高速化し過ぎてダブルシーターでは対応が難しかったのかも知れないが、9式とか13式のダブルシーターはやってみたかった気もする。16式とかヤクパンだと多分、どちらかが酔いそう。こう考えると、挙動が重く全体的にゲームスピードが緩めなⅡじゃないとダブルシーターは成立しなかったとも言えるのか?

 

 

 

脚注

*1:グレートメカニック2号121p、2001年発行、双葉社

*2:1979年放送の「機動戦士ガンダム」には「黒い三連星」というエースパイロット三人組が登場し、高機動型のモビルスーツ・ドムに乗って「ジェットストリーム・アタック」なる三機一組の連携攻撃を繰り出し、主人公の機体を追い詰める。

*3:いずれもコンプリートファイル中のインタビューから。

*4:漫画家。代表作は「DAN DHO!!」で、アニメ化もされた。現在は週刊少年サンデーで「機動戦士ガンダム アグレッサー」を長期連載中。ツイッターの内容も爆笑必至。

*5:ガングリフォン・コンプリートファイルに掲載されている第三次世界大戦史に登場する中国軍の名将。AFTA参戦によるPEU軍の混乱の隙を突き、万里の長城防衛ラインへの圧力を排除することに成功する(63p)。

*6:スイス陸軍中佐。ロシア軍が90年代後半にPT5を実用化するだろうと報告した人物らしいが、実在の人物なのかも含めて詳細は不明。

*7:2014年公開のアメリカ映画。第二次世界大戦後期の西部戦線を舞台に、ウォー・ダディ(ブラッド・ピッド)率いるM4シャーマン戦車フューリー号と、そこに配属された新兵ノーマン(ローガン・ラーマン)の苦闘を描く戦争ドラマ。本物のティーガー戦車を使った戦車戦も話題になった。後半の擱座したシャーマンに籠っての戦闘はミリオタ界隈には大分受けが悪いようだが、作品としての完成度は高い。